静岡県の中央部に位置する大自然豊かな川根本町に、IT業界の旋風が巻き起こっています。インドに本拠を置くIT大手の日本法人、ゾーホージャパン株式会社が、2019年11月28日までに同町内での自社ビル建設を決定しました。彼らが拠点を置く千頭エリアに約500平方メートルの土地を確保したことは、地域にとって極めて大きな一歩と言えるでしょう。
もともと2017年4月に古民家を活用してスタートした同社のオフィスは、当初は顧客対応を行うコールセンターが主軸でした。しかし現在では、インド人エンジニアによる高度なプログラム開発や、インフラを支えるネットワーク監視事業の一部も担う重要拠点へと進化を遂げています。ITの力があれば、場所を選ばずに世界レベルの仕事ができることを証明しているかのようです。
異文化が融合する新たなワークスタイルと若者への教育支援
特筆すべきは、同社が掲げる独自の地域貢献と教育への情熱です。2018年からは地元の川根高校から新卒採用を開始しており、社内教育機関「ゾーホーユニバーシティ」への留学を経て入社した女子生徒の事例は、SNSでも「地方から世界へ羽ばたく理想的なキャリア」として大きな注目を集めました。若者が地元を離れずに最先端の技術を学べる環境は非常に魅力的です。
自社ビル完成に先立ち、2019年12月1日には旅館を改修した施設に機能を統合し、日本人とインド人が共創する多国籍な職場環境が整います。2階部分を宿泊施設として活用する計画は、首都圏からの出張者を受け入れるだけでなく、地域に外からの風を呼び込む拠点としても機能するはずです。こうした「職住近接」の新しい形は、現代の働き方に一石を投じるものとなるでしょう。
企業誘致の連鎖が止まらない!「プロジェクトK」による地方活性化
ゾーホーの挑戦は自社のみに留まらず、静岡県やNPOと連携した「プロジェクトK」を通じて他企業の誘致にも貢献しています。その成果は着実に出ており、2019年4月には経営コンサルのArinosが、続く同年7月には経営参謀が相次いで同町に進出しました。サテライトオフィス(本社から離れた場所に設置される小規模な仕事拠点)が、地域の過疎化を止める切り札となっています。
私は、こうしたグローバル企業の参入こそが、日本の地方が抱える人手不足や産業停滞を打破する鍵になると確信しています。単なる「移住」を勧めるだけでなく、最先端の「仕事」を持ち込むゾーホージャパンの手法は、他自治体にとっても最高のモデルケースになるのではないでしょうか。川根本町が日本の「シリコンマウンテン」と呼ばれる日が来るのも、そう遠くないかもしれません。
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