日本の企業年金制度が、今まさに大きな転換期を迎えています。日本経済新聞社と格付投資情報センター(R&I)が2019年08月から2019年10月にかけて実施した「日経企業年金実態調査」の結果、確定給付企業年金(DB)の運用手法に劇的な変化が起きていることが判明しました。
特に注目を集めているのが、非上場企業や不動産、さらにはインフラ事業などへ直接資金を貸し付ける「プライベートデット」と呼ばれる投資戦略です。今回の調査では、すでにこの戦略を採用していると回答した団体が17.9%に達し、わずか1年前と比較して5.8ポイントも増加していることが明らかになりました。
なぜ今「プライベートデット」が選ばれるのか
聞き慣れない方も多い「プライベートデット」という言葉ですが、これは銀行などの金融機関を介さずに、投資家が企業へ直接融資を行う仕組みを指します。一般的な国内債券と比較して、高い利回りが期待できる点が最大の魅力でしょう。低金利が続く現代において、少しでも運用益を上げたい企業にとっては見逃せない選択肢となっているのです。
SNS上では「ついに年金運用もここまで来たか」「リスク管理は大丈夫なのか」といった、期待と不安が入り混じった声が数多く上がっています。しかし、今後この運用を新規採用、あるいは増額する予定だと答えた団体は26.4%に上っており、このトレンドはさらに加速していくことが予想されます。
私個人の見解としては、伝統的な資産運用だけでは立ち行かない厳しい市場環境において、こうしたオルタナティブ(代替)資産への分散は賢明な判断だと感じます。もちろん、非上場企業への融資には透明性の確保といった課題も残りますが、運用の多様化は加入者の将来を守るための攻めの姿勢と言えるのではないでしょうか。
調査に回答した726団体の動向を分析すると、2019年12月02日現在の年金運用現場では、かつての保守的な姿勢から一歩踏み出し、より効率的なリターンを求める動きが鮮明になっています。私たちの老後を支える資金がどのように育てられていくのか、今後の運用手腕に大きな注目が集まるでしょう。
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