米中摩擦の逆風でも中国市場は「買い」?世界を動かす政府系ファンドが熱視線を送る理由と投資の未来

世界経済の行方を左右する巨大なマネーが、いま静かに、しかし力強くアジアの大国へと向かっています。米運用会社インベスコが2019年07月10日に発表した調査結果によると、世界の政府系ファンド(SWF)は、激化する米中貿易摩擦という不透明な情勢にありながらも、中国を極めて有望な投資先と捉えていることが明らかになりました。

政府系ファンドとは、国が保有する外貨準備高などの余剰資金を運用するために設立された機関投資家のことで、その動向は市場のトレンドを作る指標となります。今回の調査では、68のファンドと71の中央銀行を対象に、合計で20.3兆ドルという天文学的な運用資産を持つ担当者へ直接面談が実施されました。その結果、中国の今後3年間の投資魅力度は10段階評価で「6.1」を記録しています。

この数値は2年前と比較して0.9ポイントも上昇しており、国別の改善幅としては世界最大となりました。SNS上では「米中対立で中国株はリスクが高いと思っていたが、プロの視点は違うのか」といった驚きの声や、「市場開放が進んでいることがポジティブに捉えられている」といった分析が飛び交っています。政府による規制緩和が、着実に投資家の信頼を勝ち取っている証拠と言えるでしょう。

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株式から債券へ広がる投資の波と中央銀行の戦略

現在、中国へ資金を投入している政府系ファンドの約9割が株式投資を行っています。しかし、今後はその流れに変化が生じるかもしれません。主要な国際債券指数に中国人民元建ての債券が組み入れられ始めたことで、インベスコは「安全資産とされる債券への資産配分も、今後劇的に増加する可能性がある」との見解を示しており、投資対象の多様化が加速しそうです。

一方、国家の通貨を守る砦である中央銀行も、人民元に対する評価を改めています。2018年における中央銀行の人民元への資産配分比率は1.9%に達し、なんと豪ドルなどを抜いて世界で5番目に保有が多い通貨へと躍り出ました。2019年内にも約27%の中央銀行がさらに配分を拡大すると回答しており、人民元が「世界の主要通貨」としての地位を盤石にする日は近いと予測されます。

足元では米中摩擦の影響を受け、上海総合指数は2019年04月の高値から約11%下落するなど、厳しい局面も見受けられます。しかし、長期的な視点を持つ巨大マネーの流入は、市場の下支えとなる強力なエンジンになるはずです。短期的なニュースに一喜一憂せず、構造的な市場の変化を見極める姿勢こそが、今の投資家には求められているのではないでしょうか。

個人的な見解としては、地政学的なリスクは依然として無視できないものの、中国という巨大市場が持つ潜在能力と、その「開放」という不可逆的な流れは、投資家にとって抗いがたい魅力があると感じます。政府系ファンドのようなクジラが動き出している以上、このトレンドは一過性のものでは終わらないはずです。今後の市場の動きから、ますます目が離せません。

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