投資家の皆さんに朗報です。日本取引所グループ(JPX)が、ついに株価指数先物などの「デリバティブ取引」を祝日にも開放する検討を開始しました。2019年10月16日現在、日本のカレンダーは欧米に比べて休日が多く、海外市場が激しく動いている最中に日本の投資家だけが「指をくわえて見ているしかない」という状況が続いています。今回の改革は、そんなもどかしい現状を打破する画期的な一歩となるでしょう。
ここで言う「デリバティブ」とは、日本語で金融派生商品と呼ばれます。株式や債券といった元々の資産から派生して誕生した取引のことで、将来の売買価格をあらかじめ約束する「先物取引」などが代表的です。これらは少額の証拠金で大きな金額を動かせるため、海外発のニュースで相場が急変する際、リスクを回避したり利益を狙ったりする上で極めて重要な役割を果たします。
2019年9月19日に開催された大阪取引所の会合では、2021年秋に稼働予定の新システムに合わせて祝日取引を議論することが明かされ、市場関係者に衝撃が走りました。SNS上でも「連休中の海外暴落が怖かったから大歓迎」「ようやく世界標準に近づく」といった期待の声が上がる一方で、「休まらなくなる」というトレーダーの本音も入り混じり、大きな反響を呼んでいます。
大手証券とネット証券の温度差が生む新たな波紋
実はJPXは過去に何度も、現物株の取引時間を延ばそうと試みてきました。しかし、窓口業務を行う対面型の証券会社がコスト面から猛反対し、断念してきた経緯があります。今回、デリバティブに絞って祝日対応を急ぐ背景には、個人投資家のニーズが夜間に集中している実態があるのです。2019年8月には、大阪取引所の夜間取引シェアが過去最高の47%に達し、もはや日中と同等の主戦場となっています。
大手証券会社の中には、1月3日に発生した「フラッシュ・クラッシュ(一瞬で価格が暴落する現象)」のような急変動を懸念する声もあります。しかし、ネット証券側は「顧客を守るために取引手段を確保すべきだ」と強く主張しており、JPXはこの追い風を背に改革を強行する構えです。私自身の見解としても、グローバル化が進む現代において、日本だけが市場を閉ざし続けるのは、投資家保護の観点からも時代にそぐわないと感じます。
買収劇の再燃?「総合取引所」完成への隠されたシナリオ
さらに注目すべきは、この構想の裏に潜む「買収」という名の野望です。JPXは2019年11月に東京商品取引所(TOCOM)の買収を完了させ、名実ともに「総合取引所」へと歩みを進めますが、次なる標的として囁かれているのが、FX(外国為替証拠金取引)などを扱う「東京金融取引所(TFX)」です。TFXはすでに祝日取引の仕組みを持っており、そのシステムを手中に収めることはJPXにとって大きな近道となります。
「総合取引所」とは、株も金も穀物も為替も、あらゆる投資商品を一箇所で取引できるデパートのような存在を指します。投資家の利便性を向上させるという大義名分の裏で、JPXはライバルを取り込み、巨大な金融インフラの支配権を固めようとしているのでしょう。この野心的な動きが、日本の金融市場をより強固で魅力的なものに変えていくことは間違いありません。今後の展開から目が離せませんね。
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