日本の自動車産業界に激震が走っています。トヨタ自動車が2020年5月に控えた国内全車種併売化に向け、販売戦略を劇的に加速させているのです。これまで「トヨタ」「トヨペット」「カローラ」「ネッツ」という4つのチャネルで専売車種を分けてきましたが、これからはどの店でも全てのトヨタ車が買えるようになります。この大きな転換期を前に、お膝元である愛知県でもついに変化が目に見える形となって現れました。
2019年11月30日、名古屋市中川区に「トヨタカローラ中京 太平通店」がリニューアルオープンを迎えました。この店舗の特筆すべき点は、愛知県内で初めて「TOYOTA」という統一ブランドの看板を掲げたことです。SNSでは「ついに愛知でも看板が変わった!」「カローラ店でランクルが買えるようになるのは胸熱」といった驚きと期待の声が次々と上がっており、ユーザーの関心の高さがうかがえます。
全車種併売で見直される店舗の在り方
全車種併売、いわゆる「併売化」とは、特定の店舗でしか買えなかった高級車や大衆車が、どの販売店でも取り扱い可能になる仕組みを指します。例えば、これまではカローラ店で扱っていなかった「ランドクルーザー」のような大型SUVも、今後はラインナップに加わります。これに対応するため、太平通店では敷地面積を従来の4割増となる約1700平方メートルまで拡張し、大型車も余裕を持ってメンテナンスできる体制を整えました。
こうした動きは愛知県内にとどまりません。2020年1月には、名古屋トヨペットが上重原店を刷新し、再び統一ブランドの看板が登場する予定です。当初、トヨタは全国での併売化を2022年から2025年を目途としていましたが、2019年6月にはその計画を最大5年も前倒しすると発表しました。このスピード感あふれる改革に、全国の販売会社は一斉に対応を急いでおり、まさに「待ったなし」の状況といえるでしょう。
美容家電との融合?「車を売らない」新発想の誘客術
一方で、車を売ることだけを目的としない驚きの試みも始まっています。2019年11月11日に本店を刷新したトヨタカローラ福岡に続き、岩手県のトヨタカローラ南岩手奥州店では、なんとパナソニックの最新美容家電を体験できるスペースを設置しました。これは、車に興味がない層や競合他社のユーザーにも気軽に立ち寄ってもらうための、業界でも極めて珍しい「ライフスタイル提案型」の店舗づくりといえます。
人口減少や若者の車離れ、さらにはカーシェアリングの普及により、車を所有する文化そのものが変化しています。編集者としての私の視点では、この「車を売らない店」という攻めの姿勢こそが、これからのディーラーの生存戦略になると確信しています。ただ車を並べて待つだけの時代は終わり、地域住民が日常的に集まる「モビリティ拠点」へと進化することが、100年に1度の変革期を生き抜く鍵となるはずです。
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