イギリスの広告大手であるWPPグループが、2019年11月22日、世界380万人以上の消費者の声と財務分析を融合させた「BrandZ 日本ブランド価値ランキング」を初めて発表しました。今回の調査で見事首位に輝いたのは、日本が世界に誇る「トヨタ」です。2位には「NTT」、3位には「ホンダ」が続き、上位には名だたる日本企業が名を連ねました。
特に注目すべきは、1位のトヨタが見せている圧倒的な存在感でしょう。ブランド価値は289億ドルに達し、単なる「自動車メーカー」から、人々の移動を支える「モビリティカンパニー」への革新的な転換が高く評価されています。SNSでも「やっぱりトヨタは別格」「信頼の証」といった声が上がっており、変化を恐れない姿勢が消費者に深く浸透していることが伺えます。
躍進する小売業界!ユニクロとセブンが上位を席巻
小売・アパレル業界も負けてはいません。7位には「ユニクロ」、8位には「セブンーイレブン」がランクインしました。ユニクロは「ライフウェア」という、生活に寄り添う服の概念を世界に提示しています。さらに、難民支援や廃棄物削減などの社会貢献を重視する姿勢が、現代の消費者の共感を得ています。ブランドの「存在意義」が問われる時代の先駆者と言えるでしょう。
対するセブンーイレブンは、24時間営業の利便性だけでなく、自転車シェアや宅配ロッカーの設置など、街のインフラとしての付加価値を次々と提供しています。この「生活に欠かせない安心感」が、89億ドルという高い価値を生み出しました。両社に共通するのは、単なるモノ売りではなく、顧客のライフスタイルそのものをアップデートしようとする強い意志です。
また、9位には「三太郎」シリーズのCMで絶大な人気を誇る「au」がランクインしました。親しみやすいブランド体験を構築することが、いかに価値向上に直結するかを証明しています。さらに、16位の「ゾゾタウン」や47位の「メルカリ」といったデジタル勢も台頭しており、日本のブランド地図は今、伝統と革新が混ざり合う非常にエキサイティングな局面を迎えています。
グローバル市場の壁と、これからの日本ブランドの課題
しかし、楽観視ばかりはできません。2006年の調査開始時は、世界100位以内に日本勢が8社も入っていましたが、2019年現在はトヨタとNTTの2社のみに留まっています。世界的な巨大テック企業と比較すると、成長スピードの鈍化が課題として浮き彫りになりました。特に「海外での認知度・活躍度」において、日本ブランドはまだ伸びしろがあるという厳しい分析もなされています。
私個人としては、今回のランキングは「日本企業の底力」を再確認すると同時に、未来への危機感を持つべき指標だと感じます。これからのブランドには、機能性だけでなく、環境や社会に対する「哲学」が不可欠です。世界中から愛されるには、ローカルな魅力に磨きをかけつつ、いかにグローバルな視座で価値を届けられるかが、2020年代に向けた勝負の分かれ目になるでしょう。
コメント