鉄道から産業機械へ!東洋電機製造が中国で高効率モーター量産、EV市場の拡大を商機に

鉄道ファンにはパンタグラフでお馴染みの東洋電機製造が、新たな一歩を踏み出しました。同社は2019年12月24日、産業機械向けの高効率モーターを中国で量産すると発表したのです。約20億円を投じる新工場は2020年中の稼働を目指しており、5年後には売上高25億円を見込む大規模なプロジェクトとなっています。

SNS上では「地味ながら技術力は折り紙付きの企業。EVシフトの波に乗るのは賢明な判断だ」といった期待の声が上がっています。特に注目されているのは、永久磁石を用いた高効率モーターの技術です。これは一般的な誘導モーターと比較してエネルギー損失が極めて少なく、環境性能が重視される現代において、まさに時代の寵児とも言えるデバイスでしょう。

今回の戦略の背景には、中国で加速する「新エネルギー車(NEV)」、いわゆる電気自動車(EV)市場の急成長があります。車体そのものだけでなく、リチウムイオン電池の素材となるアルミニウムの生産現場など、関連産業の裾野は広大です。東洋電機製造は、こうした素材生産ラインで使われる産業用モーターの需要を確実に取り込もうとしています。

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中国大手との強力タッグで狙うグローバルシェア

新工場の運営にあたっては、レアアース大手の中国稀有稀土などと合弁会社を設立しました。レアアースとは「希土類」と呼ばれ、強力な磁石を作るために欠かせない貴重な鉱物資源を指します。現地大手と手を組むことで、原材料の安定調達と販路拡大を同時に実現する狙いでしょう。2024年には年産2万台規模まで引き上げる計画というから驚きです。

生産体制もスマートに進化します。新工場ではコイルの巻き線や塗装工程の自動化を推進し、効率化を図る予定です。一方、日本の滋賀竜王製作所では、直径1.5メートルにも及ぶ巨大な特注モーターなど、高付加価値な製品に特化します。このように日中の拠点で役割を分担する「棲み分け」の戦略からは、同社の合理的な判断が透けて見えます。

私個人の視点としても、この「選択と集中」は非常に評価できると感じます。国内の鉄道市場が成熟期を迎える中、海外の成長産業へ技術を転用するのは、日本のモノづくり企業が生き残るための理想的なモデルケースではないでしょうか。既存の鉄道事業を支柱にしつつ、産業機械を第二の柱へ育てる姿勢には、老舗の底力が感じられます。

東南アジアへ広がる「東洋電機」の技術網

同社の視線は中国に留まりません。2019年6月にはタイに現地法人を設立しており、インドネシアやフィリピンといったASEAN諸国への進出も加速させています。すでにインドネシアのジャカルタで開通した地下鉄(MRT)には、同社のインバーターが採用されており、着実に実績を積み上げているのが現在の状況です。

ちなみにインバーターとは、電流の周波数や電圧を自在に操り、モーターの回転数を制御する「頭脳」のような装置のことです。鉄道で培ったこの制御技術と、今回量産する高効率モーターが組み合わされば、産業界における省エネ効果は計り知れません。2022年5月期に売上高470億円超を目指すという目標も、決して夢物語ではないはずです。

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