オンワードが佐賀から仕掛ける逆転劇!デジタル×職人技で挑む「純国産アパレル」の勝算と未来

アパレル業界において海外生産が当たり前となった現代、老舗のオンワードホールディングスがあえて「国内回帰」という大胆な舵を切りました。2019年10月、佐賀県武雄市に新工場「カシヤマ サガ」を稼働させたのです。

このニュースはSNSでも「高くても良いものが欲しい」「日本の職人技術が守られるのは嬉しい」と、品質を重視する層から熱い支持を得ています。大量消費の時代が終わり、消費者の価値観が「長く愛せる一着」へとシフトしている証拠と言えるでしょう。

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デジタル技術と熟練工の技が織りなす「ハイブリッド生産」

新工場の最大の特徴は、最新のデジタル設備と熟練工の「手仕事」を融合させた点にあります。例えば、デザインデータを元に生地を自動で切り出す「CAD/CAM」というコンピューター支援設計・製造システムを導入しています。

従来は型紙を当てて手作業で行っていた裁断をデジタル化することで、スーツ約40パーツをわずか10分で完了させます。このように周辺作業を省力化する一方で、最も重要な「縫製」の工程は、約75名の熟練した職人たちが担当します。

職人が複数のミシンを使い分け、複雑なデザインにも対応する体制は、単一工程を繰り返す海外の大量生産工場とは一線を画します。これこそが、動くたびに美しく揺れる裾のラインなど、繊細な美しさを生み出す源泉なのです。

「メイド・イン・ジャパン」を世界へ!最短1週間で届くスピード感

なぜ今、コストの高い国内生産なのでしょうか。その狙いの一つは、アジア圏を中心とした海外富裕層への輸出強化です。銀座の店舗では、特に中国からの観光客が「日本製」を指名買いする光景が日常茶飯事となっています。

さらに、2020年からはオーダーメードスーツの国内直送モデルも本格化します。通常3週間以上かかる納期を、工場から直接顧客へ届けることで最短1週間まで短縮させる計画です。このスピード感は、国内に拠点があるからこそ成し遂げられる技です。

百貨店の苦戦やネット通販の台頭など、アパレルを取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。しかし、安さだけを追わず「高品質・多品種・短納期」という独自の価値を追求するオンワードの姿勢には、業界の未来を感じます。

個人的には、こうした「日本のものづくり」への再投資が、地方の雇用を生み、伝統的な技術を次世代へつなぐ希望になると信じています。佐賀から世界へ羽ばたく純国産の服が、私たちの装いをより豊かにしてくれる日が楽しみでなりません。

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