四国への空の玄関口である高松空港が、大きな変革の時を迎えています。かつては静かな地方空港でしたが、2018年4月1日から三菱地所や大成建設などが参画する民間企業による運営がスタートし、その風景は一変しました。地元タクシーの運転手さんが、外国人観光客から示された宿泊先の名前を見て「どこの居酒屋だろう」と首を傾げるほど、街には海外からのゲストが溢れ、国際色豊かな賑わいを見せているのです。
民営化の最大のメリットは、何といっても意思決定のスピード感にあります。行政が管理していた時代には時間がかかっていた設備改修も、民間企業のノウハウが投入されたことで劇的に改善されました。その象徴が2019年4月に完成した駐車場の立体化です。収容台数が約4割も増加したことで、連休中の深刻な渋滞が解消されました。こうした目に見える変化に、SNS上でも「便利になった」と驚きの声が上がっています。
観光客を呼び込む「二次交通」と設備投資の重要性
空港の利便性を高める鍵は、到着後の移動手段である「二次交通」の充実にあります。高松空港では、徳島県三好市の大歩危・祖谷といった人気の景勝地へ直行するバス路線を増設しました。空港をただの通過点ではなく、四国全体の旅の起点と位置づけています。2020年度には、国際線の保安検査ラインや手荷物受取所のターンテーブルも増設される予定で、受け入れ態勢の強化が着々と進められています。
こうした取り組みに対し、ネットでは「地方空港がこれほど攻めているのは頼もしい」といった好意的な意見が見られる一方、経営面では依然として厳しい現実が突きつけられています。2019年12月に発表された国管理空港の収支試算によれば、営業黒字を達成したのは羽田や新千歳などわずか4空港に留まっています。民間の資金を投入して設備投資を加速させる一方で、いかにして収益性を確保するかが今後の大きな焦点となるでしょう。
ここで言う「二次交通」とは、拠点となる駅から目的地までの移動手段を指しますが、地方におけるこの整備こそが観光立国の生命線だと私は考えます。空港を降りてからの「足」が確保されて初めて、地方創生は実を結ぶのです。また、航空会社のカウンターを可変式にするといった柔軟な発想は、お役所仕事では難しかった民間ならではの素晴らしい工夫と言えます。
不透明な国際情勢と多角化への挑戦
地方空港の飛躍には、特定の国に依存しない「路線の多角化」が欠かせません。昨今の日韓関係の冷え込みによる減便や、2019年12月13日に突然の運航停止を表明した遠東航空の事例など、国際線の運営には常にリスクが付きまといます。高松空港では現在、ベトナムやタイからの観光客誘致に力を入れており、2019年11月にもタイの旅行関係者を招いたツアーを実施するなど、販路拡大に奔走しています。
空港民営化の波は止まらず、2020年には熊本空港、2021年には広島空港も民間委託への移行を予定しています。北海道でも2020年6月以降、新千歳を含む7空港の一括民営化が始まります。各地の空港が競い合い、知恵を絞ることで日本の観光資源が磨かれるのは喜ばしいことです。しかし、単なる箱モノの改善に終わらず、地域住民と一体となった「おもてなし」の質を高めることが、リピーター獲得の真の条件となるはずです。
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