世界を揺るがす米中貿易摩擦の渦中にありながら、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)が驚異的な底力を見せています。同社が2019年12月31日に発表した予測によると、2019年12月期の年間売上高は、前の期と比べて18%も増加する8500億元(日本円で約13兆2000億円)を超える見通しです。米国政府による事実上の禁輸措置という厳しい逆風にさらされながらも、二桁成長を維持したというニュースは、まさに世界中のビジネス界を驚愕させています。
ネット上では「これほどの制裁を受けても成長が止まらないのか」という驚きの声や、「中国国内の愛国消費が支えているのでは」といった冷静な分析が飛び交っています。SNSでもファーウェイの経営体力が話題となっており、逆境をバネにする企業の姿勢に注目が集まっているようです。米政府は2019年05月、米国由来のソフトウェアや部品の供給を制限する措置を講じましたが、同社は自社での部品製造や新たな仕入れルートの確保によって、そのダメージを最小限に食い止めてみせました。
好調な業績を支えた最大の要因は、主力製品であるスマートフォンの出荷台数が飛躍的に伸びたことにあります。2019年の世界出荷台数は2億4000万台を超える見込みで、これは前年比で2割増という驚くべき数字です。特に本国である中国市場でのシェア拡大が、グローバルでの苦戦を補って余りあるほどのパワーを発揮しました。最先端の5G通信に対応した技術力と、洗練されたカメラ性能が消費者の心を掴んで離さない結果と言えるでしょう。
試練を糧に変える強靭な経営戦略と2020年への展望
ファーウェイの徐直軍(エリック・シュー)副会長兼輪番会長は、2019年12月31日に公開した年頭所感の中で、全社員が一丸となって米国の圧力に立ち向かったことを強調しました。当初の売上計画には届かなかったものの、安定した経営基盤を維持できたことへの自信をのぞかせています。同氏は、米国による締め付けを「企業を鍛えるチャンス」と捉えており、今後も続くであろう長期的な攻防戦に備えて、独自の「エコシステム(製品やサービスが連携して共存する経済圏)」を構築する構えです。
専門用語として登場する「輪番会長」とは、複数の役員が交代でトップを務めるファーウェイ独自の経営スタイルのことです。これにより、特定の個人に依存せず多角的な視点で危機管理が行えるのが強みと言えます。また、今回焦点となっている「禁輸措置」は、安全保障上の理由から他国への輸出を禁じる厳しい制裁ですが、これを乗り越えて成長を続ける姿には執念すら感じます。しかし、今後ソフトウェア面での制限が長引けば、国外でのAndroid利用に影響が出る可能性も否定できません。
編集者としての私見ですが、ファーウェイの現状は「技術の自立」が企業の運命を左右することを物語っています。他国からの供給が止まっても動き続けられる内製化のスピードは、日本の製造業も見習うべき点があるのではないでしょうか。ただし、2020年はさらに制裁の影響が深刻化する懸念もあり、真の正念場はこれから始まるのかもしれません。政治に翻弄されるハイテク産業の行方から、今後も一瞬たりとも目が離せない状況が続いていくことでしょう。
コメント