2020年1月1日、いよいよ新しい年が幕を開けました。今年最も注目されているテクノロジーの話題といえば、間違いなく次世代の通信規格である5Gの実用化でしょう。大容量のデータを瞬時に、そして遅延なく送受信できるこの革新的な技術をどのようにビジネスへ生かすのか、世界中の企業がしのぎを削って知恵を絞っています。
5Gとは第5世代移動通信システムの略称であり、超高速化だけでなく、多数の機器を同時に接続できる点が大きな特徴です。この技術が、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTや、自ら学習して判断を下す人工知能であるAI、そしてロボットやドローンといった最先端のテクノロジーと結びつくことで、かつてない化学反応が起きると期待されています。
世界中で広がる活用アイデアとSNSの熱狂
アメリカの著名な調査会社であるガートナーの報告によると、政府機関や大手通信会社が主導して、新しいサービスのアイデアを募るコンテストが世界各国で活発に開催されているようです。対象となる分野は製造業や教育、さらには医療から農業、観光に至るまで多岐にわたります。もはや、この変革の波と無縁でいられる業界など存在しないと言っても過言ではありません。
実際、SNS上でも「5Gになれば遠隔手術が当たり前になるらしい」「映画が一瞬でダウンロードできる時代が来る!」といった期待に満ちた声が日々飛び交っています。Twitterなどのタイムラインを眺めていると、一般のユーザーたちもこの新しい通信規格がもたらす未来の生活に対して、非常に高い関心とワクワク感を抱いていることが手に取るように分かります。
巨大IT企業の動向と日本産業の戦い方
アメリカのフェイスブックで最高経営責任者を務めるマーク・ザッカーバーグ氏は、「次のコンピューティングプラットフォームを形づくりたい」と熱く語気を強めています。彼は、現実世界にデジタルの情報を重ね合わせるAR(拡張現実)や、完全に仮想の空間に入り込むVR(仮想現実)に強い関心を寄せており、2020年内に画期的な新サービスを打ち出す構えを見せているのです。
日本経済の屋台骨である自動車産業にとっても、これは大きな転換点となります。インターネットに常時接続されるコネクテッドカーの開発が急ピッチで進んでおり、2030年までの累計で1600万台もの5G対応車が日米欧などで販売されるという予測もあるほどです。また、日本の得意分野であるゲーム市場にも、海外のIT巨人がクラウド技術を駆使して続々と参入を企てています。
競争力の源泉は「デジタル人材」の育成にあり
こうした激動の時代において、企業がチャンスを掴み取るために最も重要な要素は何でしょうか。私は、最新のテクノロジーを深く理解し、それをビジネスの現場で柔軟に使いこなせる「デジタル人材」の存在こそが、すべての鍵を握っていると確信しています。絶えず自らのデジタル感覚を磨き続ける文化が、これからの組織には絶対に欠かせない要素となるはずです。
しかしながら、現在の日本はITスキルの明確な評価基準が乏しく、優秀な技術者に対する待遇も決して十分とは言えない状況が続いています。この課題を解決するため、競技プログラミングのサイトを運営するAtCoder株式会社は、2019年にプログラマーの実力を5段階で客観的に可視化する画期的な実技検定をスタートさせました。こうした民間からのアプローチは、非常に意義深い取り組みだと感じます。
若き才能の解放と経営陣に求められる覚悟
社内で最もデジタル化への強い危機感を抱き、新しいアイデアを温めているのは、間違いなく若手社員たちでしょう。経営陣は、幼い頃からインターネットに触れてきたミレニアル世代や、スマホやSNSを空気のように使いこなすZ世代の発想を絶対に軽視してはいけません。彼らが失敗を恐れずに挑戦し、思い切り活躍できる環境を整えることこそが、現代のリーダーに課せられた最大の使命なのです。
2015年に設立されたベンチャー企業のLiveParkは、スマートフォンのライブ配信アプリを手掛けており、5Gの普及によって双方向性の高いリッチなユーザー体験が実現できると意気込んでいます。大企業だけでなく、こうした新進気鋭のスタートアップも次々と立ち上がっています。口先だけでなく、具体的なアクションを起こす企業だけが、この新しい時代を生き抜くことができるでしょう。
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