テレビ離れが囁かれる現代において、民間放送局は今、大きな転換期を迎えています。地上波の番組を支える広告収入が伸び悩む中、各社はテレビの枠を超えた新しい稼ぎ方を模索しているところです。独自の強みを活かしながら、未知の領域へと果敢に挑戦する大手テレビ局の戦略に、SNSでも「いよいよテレビ局が本格的に動き出した」「コンテンツ力があるから新しい試みも面白そう」といった期待の声が続々と寄せられています。
そんな中、フジ・メディア・ホールディングスが驚きの新戦略を打ち出しました。同社が全額出資する投資会社フジ・スタートアップ・ベンチャーズは、50億円という巨額の投資枠を設定した2号ファンドを新たに立ち上げたのです。これは、ベンチャー企業への投資を通じて自社の成長を図るコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)という仕組みを活用したもので、これまでのメディア関連企業に限定していた投資対象を、一気に広げる大改革となります。
今回の新ファンドがターゲットに見据えているのは、なんと医療やフィンテックといった完全な異業種分野です。フィンテックとは、金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を融合させたIT技術のことで、キャッシュレス決済や資産運用アプリなどがこれに当たります。テレビ局がこれまで蓄積してきた抜群の発信力や認知度を、生活に不可欠な医療や新しい金融サービスと掛け合わせることで、社会に大きなイノベーションを起こすポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。
テレビ局の新しい挑戦は、最先端のデジタルエンターテインメントの領域でも輝きを放っています。TBSホールディングスは、2019年5月に出資したアメリカの技術企業ティフォン社と強力なタッグを組みました。両社が共同で開発を進めているのが、バーチャルリアリティ、つまり仮想現実の世界を体験できる最新のVRコンテンツです。ゴーグルを装着することで、まるで自分がその場にいるかのような圧倒的な没入感を味わえるのが最大の特徴となっています。
あの人気怪獣たちが目の前に!お台場で体験する異次元の映像世界
注目の共同プロジェクトとして制作されたのが、「かいじゅうのすみかVRアドベンチャー」です。この作品には、往年の特撮ファンにはたまらないレッドキングやバルタン星人など、計12体もの個性豊かな怪獣たちが大迫力のCG映像となって登場します。日常を忘れさせてくれるようなスリリングな体験は、国内に留まらず、将来的には広く海外への展開も視野に入れているとのことで、日本の優れたコンテンツが世界を席巻する日も近いかもしれません。
気になる公開時期ですが、2020年3月下旬に、東京のお台場にあるVRテーマパーク「ティフォニウム お台場」などへの導入が予定されています。一足先に情報をキャッチしたネット上のファンからは、「大画面で見るのとは違う、怪獣の本当のサイズ感を肌で感じてみたい」「お台場の新しい名所になりそう」といった熱いコメントが溢れており、公開前から早くも大きなブームを巻き起こす兆しを見せています。
さらに、テレビ東京もユニークなリアル空間ビジネスへ舵を切りました。講談社が2020年3月に東京の池袋に開業する、エンターテインメントの発信基地となる商業ビル「ミクサライブ東京」への入居を決定したのです。この施設内では、テレビ東京の人気番組の公開収録が行われるだけでなく、話題のアニメやドラマの展覧会も開催される予定となっており、ファンが直接足を運んで楽しめるリアルな体験の場が誕生することになります。
メディア業界の変革期において、各局が展開する多角化経営は、生き残りをかけた極めて合理的な戦略です。単に映像を電波で届けるだけでなく、IT技術やリアルなエンタメ空間と融合させることで、テレビ局は強力なビジネスパートナーへと進化を遂げています。独自のコンテンツ資産を武器に、次の時代のインフラを創り出そうとする民放各社の熱い挑戦からは、今後も目が離せないでしょう。
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