スタートアップ必見!資金調達の「落とし穴」を回避する投資契約の勘所と最恵待遇条項の正体

スタートアップが飛躍を遂げるために欠かせないベンチャーキャピタルや個人投資家からの資金調達ですが、その裏側にある「契約」の重要性をご存知でしょうか。TMI総合法律事務所の小川周哉弁護士は、経営者が内容を深く理解せぬまま調印してしまうと、将来的に身動きが取れなくなるリスクがあると警鐘を鳴らしています。

2019年12月10日現在、特に注意すべきポイントとして挙げられたのが「最恵待遇条項」です。これは、特定の投資家に対して、将来的に他の投資家へより有利な条件を提示した際、自動的に同等の権利を付与することを約束する条文を指します。SNS上では「後出しジャンケンを認めるようなものだ」と、その拘束力の強さに驚く声が上がっています。

この条項の恐ろしさは「より良い条件」という表現の曖昧さにあります。投資家によって何がメリットかは異なるため、解釈の齟齬が生まれやすく、さらに「自動的」に権利が発生することで、企業側が誰にどのような特権を与えているのか把握困難な状況に陥りかねません。起業家は文言の細部まで厳密にチェックする姿勢が求められるでしょう。

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新時代の調達手法と日本特有の「買い戻し」リスク

近年、日本でも注目を集めているのが「コンバーティブル・エクイティ」と呼ばれる新株予約権を用いた手法です。これは、企業価値の評価をあえて先送りにし、スピード感を持って資金を確保する仕組みをいいます。バリュエーション(企業価値評価)に時間をかけられない初期段階のスタートアップにとって、非常に強力な武器となるはずです。

しかし、この便利な仕組みも諸刃の剣となり得ます。資本構成への配慮を怠ると、シード期の投資家の持ち分が想定以上に膨らみ、経営権のバランスがいびつになる危険性を孕んでいるからです。また、日本では「プット・オプション」という、投資家が株式の買い戻しを請求できる規定が契約に含まれることが一般的となっています。

米国では稀なこの慣習に対し、ネット上では「日本の投資家は守られすぎではないか」という議論も巻き起こっています。しかし、米国流が常に正解とは限りません。米国では投資家が重要な決定に拒否権を持つなど、別の形での制約も存在します。私は、形式的な模倣ではなく、日本の土壌に合った健全な契約の在り方を追求すべきだと考えます。

編集者の視点から言わせていただければ、契約書は単なる事務手続きではなく、投資家との「信頼の設計図」です。2019年12月10日の知見を糧に、目先の資金だけでなく、5年後や10年後の資本政策を見据えたタフな交渉を期待したいところです。法的な武装を整えることは、クリエイティブな挑戦を続けるための最低限の礼儀といえるでしょう。

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