2020年01月16日の東京外国為替市場で、これまで続いていた円安の流れに歯止めがかかりました。午後5時時点の相場は1ドル=109円90銭から92銭となり、前日の同時刻と比べて8銭の円高・ドル安を記録しています。小幅な動きではありますが、円高方向に振れたのは実に6営業日ぶりのことです。
今回の反発のきっかけとなったのは、世界中が注視する米中貿易協議への警戒感でした。これまで市場を包んでいた楽観的なムードがやや後退したことで、投資家の間では慎重な姿勢が強まっています。その結果、世界的に安全な資産とみなされている「低リスク通貨」の円を買う動きが、市場の取引開始直後から優勢となりました。
ここで言う「低リスク通貨」とは、世界情勢が不安定になった際や金融市場が混乱したときに、比較的価値が下がりにくいとされる通貨を指します。日本は世界最大の対外純資産国であるため、有事の際には「まずは安全な円を買っておこう」という心理が働きやすいのです。ネット上でも「米中の動き次第で、すぐに円高へ振れる緊張感がある」といった声が上がっています。
しかし、円の買いが一巡すると、その後の上昇は伸び悩む形となりました。その背景には、日本国内の輸入企業による根強いドル買い需要が存在します。貿易を行う企業は、海外からの買い付けのために円を売ってドルを確保する必要があるため、この実需が円の急激な値上がりを抑えるブレーキとして機能しました。
SNSなどの反応を見てみると、「110円の手前で足踏みが続いている」「底堅いドル買いがあるため、ここから一気に円高が進むとは考えにくい」といった冷静な分析が目立っています。市場の参加者たちも、現在の水準が攻防の分岐点であると捉えているようです。
なお、円は対ユーロでも強さを見せており、こちらは4営業日ぶりの反発を記録しました。こうした動きから、市場全体にリスクを避けようとするムードが漂い始めていることが伺えます。
編集部としては、今回の反発は一時的な調整の範囲内であると考えています。米中関係のニュースに一喜一憂する局面は今後も続くでしょう。しかし、国内企業の実需によるドル買い圧力がかなり強力であるため、大きな政変がない限りは、極端な円高への進行は避けられる見込みが高そうです。
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