日常の買い物で受け取るレシートが、今や企業のマーケティングを大きく変える貴重な資源として注目されています。レシート買い取りアプリを運営する株式会社WEDは、市場調査の重鎮である株式会社インテージとの業務提携を2020年1月20日に発表しました。このニュースはネット上でも瞬く間に話題となり、「捨てていたゴミがお金になるだけでなく、企業のデータに活用されるのは面白い」といった好意的な意見がSNSで数多く飛び交っています。
今回のタッグにおける最大の鍵は、両社が持つ強みの融合に他なりません。WEDは消費者が撮影したレシート画像から、リアルタイムの生々しい購買データを日々収集しています。一方でインテージは、長年の歴史の中で構築した膨大な商品データベースと高度な顧客分析ノウハウを保持する、調査業界のパイオニアです。この二つのリソースが合流することで、これまでにない高精度な市場分析が実現するでしょう。
データ分析の現場では、集まった情報を処理するために「機械学習」と呼ばれる人工知能(AI)の技術が導入される予定です。機械学習とは、コンピューターに大量のデータを読み込ませ、その中にある特定のパターンや法則性を自動で見つけ出す手法を指します。これを活用すれば、消費者が「いつ・どこで・何を・なぜ買ったのか」という複雑な購買行動の裏側を、人間よりも遥かに速く、正確に解き明かすことが可能です。
将来的な展望として、両社は蓄積された知見を「DMP」事業へと発展させる方針を掲げています。DMPとはデータ・マネジメント・プラットフォームの略称で、インターネット上に散らばる消費者の行動履歴や属性情報を一元管理するシステムのことです。この基盤を用いることで、メーカーや広告代理店は、配信したオンライン広告が実際に店舗での買い物の購入に繋がったかどうかという、広告の費用対効果を精密に検証できるようになります。
WEDを率いる山内奏人社長は、15歳だった2016年に同社を立ち上げた異色の若き起業家として知られています。当初はワンファイナンシャルという社名でしたが、事業の進化に伴い2020年1月に現在のWEDへと変更しました。スマホアプリ「ONE」でレシートを買い取るビジネスは、手軽にお小遣い稼ぎができる点から若者を中心に絶大な支持を集めており、今回の老舗企業との提携によってその信頼性はさらに盤石なものへと昇華するはずです。
さらに同社の野心はレシートの枠に留まらず、新たな領域へも勢いよく広がっています。2019年には映画館などのエンタメ施設が定額で楽しめる「PREMY」というサービスを招待制でスタートさせました。加えて、金融のプロフェッショナルである沖田貴史氏を経営陣に迎え入れ、スマートフォン決済事業への参入も着々と狙っています。単なるベンチャーに留まらず、日本の消費行動のインフラへと成長していく姿から目が離せません。
編集部の視点:データ社会の新たな主役に躍り出る両社の可能性
私個人の意見として、今回の提携は単なる企業の効率化ではなく、消費者にとってもメリットの大きい「三方良し」の変革だと確信しています。これまでの市場調査はアンケートなどによる記憶ベースのものが主流でしたが、レシートという確定した事実を基にすることで、より消費者の本音に寄り添った商品開発や広告が生まれるはずです。若い感性と老舗の安定感が織りなす化学反応は、日本のデジタルマーケティングの歴史を塗り替えるに違いありません。
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