毎日の食卓を彩る器たちに、私たちはどれほど目を向けているでしょうか。茨城県笠間市にある茨城県陶芸美術館が、これまでの常識を覆す非常にエキサイティングな試みに挑戦します。その名も「笠間陶芸大賞展」の開催が決定し、アート界や器好きの間で大きな話題を呼んでいるのです。今回の展示がこれほどまでに注目を集める理由は、新設された特別な部門にあります。
これまでの公募展といえば、飾って楽しむための鑑賞用オブジェが主流を占めていました。しかし、今回は「生活の器・食器」をテーマにした「指名コンペ部門」が新たに誕生します。これは特定の審査委員が優れた制作者を直接推薦して競い合う形式のことです。実用的な食器は芸術ではないというこれまでの風潮に、一石を投じる画期的な試みと言えるでしょう。
実を言うと、普段使いの器を手掛ける作家の多くは、美術館への収蔵やコンペに消極的でした。金子賢治館長によれば、使いやすさを重視するあまり、評価の場への関心が薄かったそうです。こうした状況を打破し、日常の道具に潜む芸術性をすくい上げるために新部門が作られました。SNSでも「毎日使うお皿こそ至高のアート」「作家たちの競演が楽しみ」と、期待の声が続々と寄せられています。
未来へつなぐ陶芸文化とデジタル技術の融合
今回の見どころは、現代ならではの最先端技術と職人技のハイブリッドです。たとえば、立体物をデータから造形する3Dプリンターなどのデジタル技術と、伝統技術を掛け合わせた柳井友一氏をはじめ、総勢30組の気鋭の作家たちが作品を出品します。現代の最先端テクノロジーがどのような美しい器を生み出すのか、想像するだけで胸が躍るのではないでしょうか。
金子館長は、今私たちが使っている食器を残すことは、この時代の日本文化を記録することにつながると熱く語ります。何気ない日常の道具にこそ、その時代のリアルな生き方や美意識が刻まれているのでしょう。私たちの暮らしに最も身近な芸術である「食器」のポテンシャルを、ぜひその目で確かめてみてください。
注目のスケジュールですが、両部門とも2020年6月に最終審査が行われます。そして見事選ばれた受賞作は、2020年10月から2021年1月中旬にかけて、同美術館で一般公開される予定です。実用性と美が見事に融合した新しいアートの誕生を、今から心待ちにいたしましょう。
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