【中国経済の転換点】2019年GDP成長率6.1%に減速!迫る「団塊退職」と少子高齢化がもたらす内需低迷の全貌

世界第2位の経済大国である中国の足元で、いま静かに、しかし確実に地殻変動が起きています。中国国家統計局が2019年1月17日に発表した2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.1%にとどまりました。これは2018年と比較して0.5ポイントの縮小となります。米国との激しい貿易摩擦が主な要因として注目されがちですが、実はそれ以上に深刻な影を落としているのが、国内で急速に進む少子高齢化という構造的な問題なのです。

ネット上やSNSでは、このニュースに対して驚きと懸念の声が相次いでいます。「あのイケイケだった中国市場がいよいよ失速するのか」「他人事ではない、まさに日本の失われた30年の前兆を見ているようだ」といった書き込みが目立ちます。さらに、「スマホや車が売れないのも納得がいった」と、現地の消費トレンドの変化を実感する声も広がっており、世界的な巨大市場の冷え込みに対して、多くの投資家やビジネスパーソンが強い危機感を抱いている様子が伺えます。

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若者急減でしぼむ巨大市場と少子化のリアル

これまで「14億人の巨大市場」として世界を牽引してきた中国の内需ですが、その勢いには明らかな陰りが見られます。象徴的なのが携帯電話の出荷動向です。2019年の出荷台数は3億8900万台と、なんと3年連続で前年を割り込みました。この背景にあるのが、購買意欲が最も旺盛な18歳から30歳までの若者層が、このわずか3年間で3000万人も減少したという衝撃的な事実です。1990年代に徹底された「一人っ子政策」の影響が、いまになって牙をむいています。

ここで注目すべきは、経済成長を支える「人口ボーナス」の終わりです。人口ボーナスとは、総人口に占める働く世代(生産年齢人口)の割合が上昇し、経済成長が強力に後押しされる現象を指します。中国はこれまでこの恩恵を最大限に享受してきましたが、2019年の出生数は前年比で58万人も減少して1465万人となり、3年連続の減少を記録しました。女性が一生の間に産む子どもの数を示す合計特殊出生率も低迷しており、人口の逆回転が始まっています。

豊かになる前に老いる「未富先老」の危機

さらに深刻なのは、国全体が十分に豊かになる前に高齢化社会を迎えてしまう「未富先老(みふせんろう)」という事態です。かつて日本が生産年齢人口のピークを迎えた1995年時点では、1人あたりのGDPは米国の1.5倍に達していました。しかし、中国がピークを迎えた2013年時点の1人あたりGDPは米国の7分の1以下にとどまっています。この状態で2022年や2023年頃から、毎年2000万人以上が生まれた中国版「団塊の世代」が本格的に定年退職を迎え始めます。

メディアの視点から言わせていただくと、この人口動態の危機は、習近平指導部が掲げる国家目標の達成において最大の障壁になるでしょう。生産年齢人口が毎年約1000万人ずつ減る一方で、医療や年金といった社会保障費の財政負担は爆発的に膨れ上がります。すでに公的年金の積立金が2035年に底をつくという試算も出ており、内需主導の安定成長へ舵を切りたい中国にとって、この人口の急減は、これまでの成功モデルが通用しなくなったことを告げる決定的な警鐘です。

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