首都直下地震や豪雨から命を守る!東京を「被害の出ない街」へ変貌させる防災戦略と無電柱化の全貌

私たちが暮らす首都・東京に、今後30年以内で70%程度という高い確率で発生すると予測されている首都直下地震。東京都が打ち出した長期戦略ビジョンに対し、都市防災の第一人者である首都大学東京名誉教授の中林一樹氏が、極めて重要な提言を行いました。これまでの「被害が出た後にどう対応するか」という視点から脱却し、そもそも「被害を発生させない強靱な都市」を造るという事前防災の姿勢が、今まさに求められているのです。

インターネット上やSNSでも、この提言に対して「避難所の環境改善は本当に急務」「タワマンの水害リスクは購入前に知りたい」といった共感の声が多数寄せられています。特に、近年多発する大型台風や豪雨への危機感から、実効性のある都市づくりを望む声が目立っている状況です。最新のAI(人工知能)やICT(情報通信技術)を、単なる新要素としてではなく、災害対応の最前線へ具体的にどう活用していくのか、都の明確な方針に期待が集まります。

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高齢化社会に寄り添う「木密地域」の不燃化対策

事前防災において最も致命的な課題となるのが、木造住宅密集地域、通称「木密(もくみつ)地域」の解消です。東京都は2030年度までに都内全地域で不燃領域率を70%まで引き上げる目標を掲げています。不燃領域率とは、市街地がどれだけ火災に強いかを示す指標であり、これが70%に達すると延焼による街の焼失率が劇的に下がるとされています。しかし、ここで大きな壁となるのが、住人の高齢化という社会問題にほかなりません。

高齢の住居者にとって、住み慣れた自宅の建て替えや移転は経済的にも精神的にもハードルが高いものです。そこで中林氏は、自宅を担保に生活資金などを借り、死亡後にその不動産で一括返済する仕組みである「リバースモーゲージ」を防災対策に組み込むべきだと主張しています。行政がこの制度をサポートすれば、高齢者の生活の安全を守りつつ、地域コミュニティーを維持したまま、安全な街づくりを推進できる素晴らしい一歩となるでしょう。

急がれる防災生活道路の無電柱化と広域避難の連携

小池百合子知事が推進する無電柱化も、東京の命運を握る重要施策です。現在の計画では主に都道を中心とした整備が強調されていますが、真に深刻なのは木密地域を縫うように走る「防災生活道路」ではないでしょうか。地震の際に電柱が倒壊すれば、住民の避難経路や救急車両の通行が完全に塞がれてしまいます。区や市に対する行政の強力な財政支援を実行し、生活に直結する身近な道路の無電柱化を最優先で急ぐべきだと強く感じます。

さらに、2019年秋の台風被害のような巨大水害への備えも一刻の猶予もありません。荒川が氾濫した場合、23区東部の5区から最大で約250万人もの人々が避難を余儀なくされる試算もあります。これほどの規模になると、東京都内だけで解決することは不可能であり、隣接する千葉県や埼玉県との広域的な自治体連携が絶対条件となります。都がリーダーシップを発揮し、県境を越えたスムーズな誘導体制を構築することが不可欠です。

子育て世代のケアとタワーマンションのリスク開示

今回のビジョンで子どもを重視する姿勢が打ち出された点は、大いに評価できるポイントです。災害時の避難所生活は過酷であり、特に乳幼児を抱える子育て世代は周囲への遠慮から孤立しがちになります。そこで、既存の保育園や幼稚園を「福祉避難所(特別なケアが必要な人のための専門避難所)」として機能させる仕組みは、未来を担う家族を守るために極めて有効な対策となるはずです。

一方で、近年急増しているタワーマンションへの災害対策も自己責任だけに帰せません。不動産業者は、物件の売買や賃貸の契約前に必ず、水害や地震の具体的なリスクを「重要事項説明」として消費者にしっかりと開示する義務を負うべきです。住民がハザードマップなどのオープンな防災情報を正確に把握した上で選択できるよう、情報格差をなくす環境づくりが行政や業界全体に求められています。

2020年から始まる、東京の新たな「安全遺産」づくり

東京の本格的な地震対策は、1964年の東京五輪の後に本格化しました。そして2020年1月現在、東京2020オリンピック・パラリンピックという大きな節目を迎えています。さらに3年後の2023年には、あの1923年9月1日の関東大震災からちょうど100年という歴史的な転換点に到達します。これまでに先人が築いてきた「復興遺産」を世界に発信すると同時に、私たちは次の世代へ「安全遺産」を残さなければなりません。

東京都は豪雨対策として、雨水を一時的に貯留する「調節池」の整備も進めており、2025年度までに貯留量を大幅に増大させる計画を動かしています。個人の財産権が絡む建物の撤去や住み替えには粘り強い対話が必要ですが、命には代えられません。官民が一体となり、被害そのものを出さない世界一安全なタフな都市・東京を、この手で創り上げていこうではありませんか。

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