日本の蛇口から当たり前に流れ出る安全な水は、実は世界に誇るべき高度な技術の結晶です。埼玉県はこの素晴らしいインフラ技術を次世代に繋ぎ、海を越えた東南アジアの地で役立てるため、2020年1月からタイとラオスの両国において水道技術の向上を目指す新たなプロジェクトをスタートさせます。
今回の取り組みは、国際協力機構(JICA)が主導する「草の根技術協力事業」の一環として実施されるものです。これは、自治体やNGOが培ってきた現場の知恵を、開発途上国の地域社会へ直接届ける仕組みを指しています。埼玉県はこれまでも2011年度から継続的に技術者を現地へ送り出してきましたが、今回の事業ではより深い教育支援へと踏み込むことになりました。
単なる技術指導を超えた「持続可能な仕組み」づくり
2019年11月中旬、埼玉県は両国の水道公社との間で正式な合意書を締結しました。2023年1月までの3年間にわたるこの計画は、単に機械の修理方法を教えるだけにとどまりません。現地の職員自らが自走できるよう、効果的な研修カリキュラムの策定や、知識を次へと繋ぐ「講師」の育成に主眼を置いている点が、非常に画期的で素晴らしいと感じます。
さらに注目すべきは、タイとラオスの職員が共に学ぶ「共同研修」の実施です。国境を接する近隣諸国同士が同じテーブルで技術を磨き合うことで、地域全体で水道インフラを支え合う強力なネットワークが構築されるでしょう。ネット上の反応を見ても「地元の技術が世界を救うのは誇らしい」といった、自治体の国際貢献を支持するポジティブな声が広がっています。
私個人の視点としても、この事業は埼玉県側にとっても大きなメリットがあると考えます。国内では経験できない過酷な環境での業務は、派遣される県職員にとって究極の「人材開発」の場となるはずです。異文化の中で課題を解決する経験は、翻って埼玉県の強靭な水道行政を支える知恵として、必ず住民へ還元されるに違いありません。
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