🔥 再選戦略と中東和平の行方:トランプ大統領が仕掛ける「世紀のディール」の衝撃

2019年6月4日、世界が固唾をのんで見守る、ドナルド・トランプ米大統領(当時72歳)が主導する新たな中東和平案、通称「世紀のディール(取引)」が、発表を間近に控え、中東情勢に大きな波紋を広げています。大統領は、この大胆な提案によってイスラエルの「生存」が確約されると信じているようですが、その内容はイスラエル寄りとみられ、長年の紛争解決の前提とされてきた原則さえ揺るがしかねないとの懸念が浮上しているのです。

この和平案の準備が進む中で、トランプ大統領の動きを象徴する出来事がありました。同年3月頃、大統領は、娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏(当時38歳)に対し、多忙を理由に迅速な説明を求めました。クシュナー氏が「ゴラン高原はイスラエルの安全保障に不可欠」と進言すると、大統領は即座に「それなら、イスラエルのものだ」と決定を下したのです。ゴラン高原とは、1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから軍事力で奪取した戦略的な要衝であり、国際連合はイスラエルの主権を認めていません。しかし、トランプ大統領は、自らの支持基盤であるキリスト教福音派の意向を強く意識しています。福音派にとって、キリスト再臨の前にユダヤ人国家の維持が必須であるという強い信念があり、彼らの支持確保はトランプ大統領の再選戦略に直結しているといえるでしょう。

こうした背景から準備されている「世紀のディール」は、ゴラン高原の主権承認に匹敵するか、それを超える「イスラエルへの贈り物」だと考えられています。しかし、この強硬な姿勢は、パレスチナ側からすれば到底受け入れられるものではありません。イスラエルは1948年の建国以来、多くのパレスチナ人から土地を奪ってきた歴史があり、これまでの中東和平交渉では、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家共存」が原則とされてきました。ところが、今回の新和平案では、この2国家共存の原則さえも堅持されない可能性があると見られているのです。

案の漏れ伝わる内容に対し、パレスチナ自治政府外相のリヤド・マルキ氏(当時64歳)は、同年5月9日にニューヨークの国連本部で開かれた会合の場で、新和平案は「降伏条件に等しいに違いない」と嘆き、妥協を求めた米国の外交交渉特別代表ジェイソン・グリーンブラット氏(当時52歳)を強く非難しました。この発言は、パレスチナ側の深い失望と、提案内容に対する強い拒否反応を示しています。この「世紀のディール」は、一方的な要求を突きつけるだけで、真の和平を導くものではない、と私は考えます。

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周辺国にも広がる困惑と波紋

トランプ政権の和平案に対する困惑は、パレスチナのみならず、周辺のアラブ諸国にも広がっています。同年3月、ヨルダン国王アブドラ・イブン・フセイン氏(当時57歳)は、地方都市に滞在中に飛び込んできた未確認情報に、珍しく「あり得ない!」と声を荒らげたといいます。その情報とは、新和平案において、エルサレム旧市街のイスラム聖地の管理権サウジアラビアに任されるというものでした。サウジアラビア国王は、すでに自国のイスラム教二大聖地であるメッカとメディナを管理しており、もしエルサレムの管理権まで手に入れれば、イスラム世界におけるその地位は突出してしまうでしょう。

これは、預言者ムハンマドの末裔(まつえい)とされるヨルダン王室の権威を大きく損ないかねない事態です。王室のブランド価値が低下すれば、ヨルダンの内政にも動揺が及びかねません。このように、トランプ政権の提案は、中東地域の微妙な勢力均衡をも脅かす可能性を秘めているといえるでしょう。SNS上でも、「ヨルダン王室の権威が揺らぐのは、中東の安定にとって危険だ」といった懸念の声が散見され、その影響力の大きさに注目が集まっています。

ネタニヤフ首相の自信の背景

一方、イスラエル国内では、ベンヤミン・ネタニヤフ首相(当時69歳)が自信に満ちた姿勢を見せています。同年4月の総選挙で勝利を収める前、首相はめったに応じないテレビの取材に対し、「ジュディア・サマリア(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸)にわが国の法律を適用したい」と語りました。そして、「米国も同意か」と問われると、「賛成してくれる」と言い切ったのです。この強い断言は、トランプ政権とイスラエル政府の間で、和平案の内容について、すでに水面下で深い合意が形成されていることを示唆しているのでしょう。

特に、ゴラン高原におけるイスラエルの主権を認める文書を、トランプ大統領(左)とネタニヤフ首相(右)が持つ写真が、同年3月25日にホワイトハウスで撮影されたことからも、両者の連携の深さが伺えます()。この「世紀のディール」が、地域に真の平和をもたらすのか、それとも新たな対立の火種となるのか、世界がその発表を固唾をのんで見守る状況です。

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