2020年1月30日、日本郵政グループによる「かんぽ生命」の不適切販売問題が、またしても大きな転換点を迎えました。これまでも多くの信頼を損なう事態が報じられてきましたが、新たに不利益を被った疑いのある顧客が6万人も存在することが判明したのです。本来であれば顧客の未来を守るはずの保険が、組織的なノルマや不自然な勧誘により、多くの人々の大切な資産を脅かしてしまった事実は非常に重く、看過できません。
今回の調査対象となるのは、契約と解約を不自然に繰り返していたり、被保険者(保険の対象となる人)を変更して再加入させられたりといった、極めて不審な取引を行っていた顧客たちです。中には、支払い能力を大きく超えた高額な保険料を負担させられていたケースも含まれており、本人の意思とは裏腹に、利益優先の営業が行われていた疑いが強まっています。これら6万人が抱える契約件数は、過去5年間で最大20万件にのぼる可能性があり、問題の深さは計り知れません。
信頼回復の道のりは遠く、揺らぐ営業再開の旗印
日本郵政グループは、これまで保険料を二重に徴収してしまった事例など、15万6千人を対象として約18万3千件の契約調査を進めてきました。しかし、金融庁からの鋭い指摘を受け、増田寛也新社長のもと、さらに6万人もの追加調査を余儀なくされた形です。SNS上でも「これだけ不信感が募れば、もう郵便局の窓口で保険の提案を聞こうとは思わない」「被害が次から次へと出てきて、いつになったら解決するのか」といった、憤りや諦めに近い声が多数上がっています。
そもそも「二重徴収」とは、新旧の契約が重複して保険料が引き落とされてしまう状態を指し、顧客には何のメリットもありません。このようなミスが長年放置されていたことは、企業のガバナンス(企業統治)機能が著しく低下していた証拠と言えるでしょう。現在、かんぽ生命の販売は3月末まで停止されていますが、今回の6万人規模の追加調査によって、4月の営業再開の目処すら不透明な状況に追い込まれています。
日本郵便は現在、かんぽ生命の問題対応に集中するため、ゆうちょ銀行が取り扱う投資信託の販売自粛期間も3月末まで延長することを決定しました。かつて国民の生活を支えるインフラとして絶大な信頼を誇った郵政グループが、これほどまでに迷走してしまう姿を見るのは、一人の利用者として非常に残念でなりません。今求められているのは、単なる調査の拡大ではなく、顧客一人ひとりの立場に立った誠実な姿勢と、二度とこのような不祥事を起こさない抜本的な組織改革ではないでしょうか。
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