富山銀行は2020年02月10日、同族経営を行う企業を対象に、株式の保有割合や役員の任期といった重要なルール作りをサポートする新サービスを開始したと発表しました。この取り組みは、東京のコンサルティング会社「フィーモ」とタッグを組んで展開されます。創業家への丁寧なヒアリングを重ね、それぞれの企業にぴったりなオーダーメイドの解決策を提案していく仕組みです。SNSでは「身内だからこそ揉める前にルール化するのは重要」「地方銀行の新しい役割として心強い」といった、前向きな反響が数多く寄せられています。
ファミリービジネスとも呼ばれる同族企業は、親族の間で利害が対立してしまうと、経営全体に深刻なダメージを与えるケースが少なくありません。そこで本サービスが目指すのが、経営の方向性や家族の行動規範を明記した「家族憲章(ファミリー憲章)」の作成です。家族憲章とは、企業の理念や親族間の約束事を明文化した、いわば「一族の憲法」のようなものを指します。これを事前に定めておくことで、将来的な親族間のトラブルを未然に防ぎ、企業の長期的な安定と成長を力強くバックアップしていく狙いがあるのでしょう。
具体的な流れとしては、まず創業家へアンケートや対面でのインタビューを行い、潜在的な課題を浮き彫りにしていきます。その上で、株式を誰がどのように所有すべきか、次代のトップをどう選出するか、さらには取締役の任期はどう設定するかといった細かな決まりを形にしていきます。さらに、創業家が保有する大切な資産を管理・運用するための専門機関(ファミリーオフィス)の設立まで手厚く支援する予定です。じっくり腰を据え、約1年の歳月をかけて具体的なルールを落とし込んでいきます。
地域経済を支える金融機関の新たな挑戦
このサービスでは、後継者を育てるための育成プログラムなどもあわせて実施される予定です。富山銀行としては、単にお金を貸し出す関係にとどまらず、企業の経営課題に深くコミットすることで、結果として融資機会の拡大にもつなげたい考えが見て取れます。地元の優良な中小企業が、事業承継の失敗によって衰退してしまうことは地域経済にとっても大きな痛手です。だからこそ、銀行がビジネスのパートナーとして一歩踏み込んだ支援を行うことは、非常に有意義な試みであると私は評価しています。
激動の時代において、同族企業が強みを活かしながら持続可能な経営を実現するためには、客観的な第三者の視点が欠かせません。富山銀行の試みは、守るべき伝統と変革すべき仕組みを整理し、次の世代へバトンを繋ぐ強力な推進力となるはずです。家族間の絆をより強固なものにし、企業の永続的な発展を目指す「とやま永続企業支援サービス」の今後の展開に、地域社会からも大きな期待と注目が集まっています。
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