キリンの新体制がスタート!2020年春の人事異動から読み解くヘルスサイエンスとDXへの本気度とは

大手飲料メーカーのキリンホールディングス株式会社は、2020年春に向けて新たな経営体制を敷くための重要な人事異動を発表しました。今回の人事では、企業の持続的な成長を支えるバックボーンの強化だけでなく、時代の変化に即応するための攻めの姿勢が色濃く反映されています。特に法務部門や監査体制の刷新は、グローバル企業としてのガバナンスを一段と強固にする狙いがあると考えられます。企業の防衛力を高めつつ、攻めのビジネスを展開する基盤が整ったと言えるでしょう。

2020年3月1日付で法務部部長に就任する中尾智三郎氏は、その後2020年3月19日により大きな裁量を持つ執行役員として法務のトップに立ちます。企業法務とは、会社が法律を遵守して健全な経営を行うための舵取り役であり、契約トラブルの回避やコンプライアンスの徹底を担う重要な専門職です。この迅速な配置からは、同社が法令順守をいかに重く受け止めているかが伝わってきます。SNS上でも「法務のスペシャリストをスピード登用するあたりに、近年のコンプライアンス意識の高まりを感じる」といった声が上がっていました。

さらに2020年3月27日には、取締役会や監査体制に多才な顔ぶれが加わります。松田千恵子氏や塩野紀子氏、そして国際的な視点を持つロッド・エディントン氏やジョージ・オルコット氏が取締役に就任し、監査役には鹿島かおる氏が新たに迎き入れられます。こうした多様なバックグラウンドを持つ外部の有識者を経営陣に組み込むことで、より客観的で透明性の高い意思決定が可能になるはずです。一方、これまで同社を支えてこられた永易克典氏は取締役を退任されることになりました。

同日にはコーポレートコミュニケーションを担当する堀伸彦氏や、ヘルスサイエンス事業部を率いる佐野環氏も執行役員に就任します。ヘルスサイエンスとは、健康科学をベースに人々の健康維持や病気予防に貢献する最先端のビジネス領域のことです。昨今の健康志向の高まりを受け、キリンがこの分野を次の成長の柱と捉えている証拠と言えます。ネット上では「ビールだけでなく、健康分野へ本格的に舵を切る姿勢が人事に現れていて興味深い」と、その先見性に注目するユーザーが多数見受けられました。

スポンサーリンク

未来のヒット商品を生み出す研究開発とデジタル戦略の融合

桜の季節を迎える2020年4月1日からは、研究開発(R&D)部門と経営企画部門において非常にダイナミックな組織改編と人事異動が実行されます。R&Dとは「Research and Development(研究開発)」の略称であり、新しい技術を生み出したり製品を開発したりする、メーカーの命とも言える部門です。この重要な拠点のひとつである飲料未来研究所の所長には、ミャンマー・ブルワリーで副社長を務めた永嶋一史氏が抜擢され、副所長には高田良二氏が就任します。

さらに、グループの頭脳となるキリン中央研究所の長には出内桂二氏が就き、副所長として吉田有人氏が支える構造となりました。パッケージイノベーション研究所長には石田英克氏が、そして知財戦略推進のトップには矢島宏昭氏が配置されます。また、R&D本部の研究開発推進は篠原浩美氏が担当することになりました。このように研究開発の各分野に専門性の高い人材を適材適所で配置することで、これまでにない革新的な新商品が世に送り出される期待が大きく高まります。

今回の人事の中で私が最も注目しているのは、時代のトレンドを捉えた2つの新専門組織のトップ人事です。健康事業推進室長に就任する石倉徹氏と、DX戦略推進室長となる秋枝真二郎氏の役割は極めて重いでしょう。DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、IT技術を駆使して業務効率化や新しいビジネスモデルを創出する変革を指します。キリンが伝統的な飲料ビジネスの枠を超え、データと健康の力で次の時代を生き抜こうとする強い覚悟が、この2人の抜擢から熱く伝わってきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました