【多言語対応】AIが災害情報を自動翻訳!東北大と日本無線が挑む外国人支援の最前線

近年、地震や豪雨などの自然災害が増加する中で、観光客や在住の外国人の方々へ、いかに迅速かつ正確に避難情報を伝えるかは、喫緊の課題となっています。このような状況を背景に、東北大学災害科学国際研究所と日本無線が、人工知能(AI)を活用した災害時の自動翻訳に関する共同研究を開始することが、2019年6月4日に発表されました。

この取り組みの大きな目的は、駅や病院などに設置されているデジタルサイネージ(電子看板)を通じて、外国人利用者へ向けた情報発信を強化することです。デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイなどを活用して映像や情報を発信する電子看板のことで、多くの人の目に触れる場所に設置されるため、情報伝達の有効な手段とされています。

共同研究のパートナーである日本無線は、すでに英語や中国語、スペイン語など6言語に対応する自動翻訳装置を提供しており、一部の市役所などのデジタルサイネージで先行的なサービスを始めています。しかし、現状では韓国語やフランス語など、一部の言語において「落ち着いて避難してください」といった、指示や呼びかけの文法が不自然になってしまうケースが課題として浮上しているそうです。これは、AIが自動で言語を変換する際に、文脈やニュアンス、さらには専門用語の扱いが難しいために起こる現象だと考えられます。

この課題を解決するため、両者はAIの翻訳精度を大幅に高めることに注力する計画です。具体的には、例文を繰り返しAIに学習させることで、より正確な翻訳結果を導き出すことを目指します。さらに、東北大学に在籍している外国籍の研究者の協力を得て、翻訳された文章の文法的な誤りや、災害関連用語の正確性を厳しくチェックし、品質を確保していくのでしょう。災害時という人命に関わる状況においては、翻訳文のわずかな誤りが命取りになりかねませんから、この二重のチェック体制は非常に重要だと私は考えます。

この分野では、同時期にSNSなどのAI活用に関するニュースも出てきており、2019年6月にはLINEやヤフーなどが参加する**「AI防災協議会」が設立されました。これは、SNSの書き込みなどのビッグデータをAIで分析し、デマや誤報などを排除した信頼性の高い情報を防災対応者や被災者に提供することを目指すものです。多言語翻訳とSNS情報分析という、AIを活用した災害対策の両輪が、この時期から本格的に動き出していたと言えるでしょう。

今回、東北大と日本無線が共同で進める多言語翻訳の研究は、人命に関わる緊急情報を、言葉の壁を越えて迅速に、そして正確に伝えるための画期的な一歩になるはずです。AIが防災分野で果たす役割は、今後ますます重要になっていくことは間違いありません。この研究が成功すれば、外国人の方々が日本で遭遇する災害リスクを大きく減らすことに繋がり、グローバル社会における日本の防災力**が向上すると期待できるでしょう。

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