日本のデジタル基盤を支えるクラウドサービス市場において、今まさに大きな地殻変動が起きています。2019年07月26日、中国のインターネットサービス最大手である騰訊控股(テンセント)が、日本市場への本格参入を表明しました。すでに先行している米アマゾン・ドット・コムなどの欧米勢に加え、アジアの巨人が日本でのシェア争いに名乗りを上げたことは、国内のIT業界に強烈なインパクトを与えています。
そもそもクラウドサービスとは、自社で物理的なサーバーを所有・管理するのではなく、インターネット越しにコンピューターのリソースを利用する仕組みを指します。この分野では「Amazon Web Services(AWS)」を擁するアマゾンが、現在日本国内で約半分のシェアを独占している状況です。しかし、2016年にソフトバンクと提携して進出したアリババ集団を筆頭に、中国企業の勢いが猛烈なスピードで加速しています。
今回のテンセント参入により、日本のクラウド市場における外資系企業の占有率は約6割に達すると予測されています。SNS上では「WeChatなどの強力なプラットフォームを持つテンセントの技術力は脅威だ」という期待の声が上がる一方で、「データの管理体制は万全なのだろうか」といった安全性を懸念する声も散見されます。利便性と信頼性の両立が、今後の普及を左右する大きな鍵となることは間違いありません。
情報漏洩リスクへの厳格な対策が日本市場定着の生命線
外資系クラウドの攻勢が強まる中で、最も重要な課題として浮上しているのが「情報漏洩」への対策です。クラウドは利便性が高い反面、重要データを外部のインフラに預けることになるため、リスク管理にはこれまで以上に厳格な体制が求められます。特に中国系企業のサービスに対しては、ユーザー側からもデータセンターの運用場所や、法規制に基づいた情報保護の透明性を求める視線が厳しくなっています。
私個人の見解としては、競争が激化することでサービスの質が向上し、利用料金が低減することは、日本企業全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させる好機だと捉えています。しかし、単にコストパフォーマンスだけで選ぶのではなく、各ベンダーが提供するセキュリティレベルを冷静に見極めるリテラシーが、今の私たちには必要です。技術の進歩を享受しつつ、自社の情報を守り抜く「防衛意識」こそが、真のデジタル活用を支える土台となるでしょう。
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