ヤフーが導入した「揚げ物税」とは?社食の値上げと「お魚還元」で社員の健康を守るIT大手の大胆な戦略

IT大手のヤフーが、社員の健康を守るためにユニークな「増税」に踏み切りました。2019年10月8日より、東京・紀尾井町の拠点を中心とした社員食堂において、一部の揚げ物メニューを値上げする、通称「揚げ物税」を導入したのです。

具体的には、人気メニューの「チキン南蛮 自家製タルタルソース」が100円値上げされ、691円となりました。一方で、魚料理を推奨する「お魚還元」も同時にスタートしており、「鯖の味噌煮と具沢山けんちん汁」は150円値下げの543円で提供されています。

この施策の背景には、社員の深刻な栄養バランスの偏りがありました。同社のデータ分析によると、社食では肉料理が魚料理の約3倍も選ばれる傾向にあり、脂質の過剰摂取が懸念されていたのです。こうした状況を打破するため、あえて価格に差をつける戦略が取られました。

「揚げ物税」というインパクトのある言葉は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「面白い試みだ」「自腹を切って健康を買う感覚」といったポジティブな声がある一方で、ランチ代の負担増を嘆く声もあり、オフィスワーカーたちの注目の的となっているようです。

ここで注目したいのが「メタボリックシンドローム」への対策です。これは内臓脂肪型肥満に高血糖や高血圧などが組み合わさり、心臓病などのリスクが高まる状態を指します。脂質を抑えて魚を食べることは、このリスクを低減させるための有効な手段となります。

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データ経営が生んだ健康へのアプローチ

ヤフーの取り組みは単なる値付けの変更に留まりません。社食の食器の裏にはRFIDチップが埋め込まれており、社員がどの栄養素をどれだけ摂取したかを精密に把握するシステムが構築されています。まさにIT企業らしいデータに基づいた健康管理と言えるでしょう。

編集者の視点から見れば、この「経済的インセンティブ(報酬や罰則)」を利用した行動変容の促し方は、非常に合理的だと感じます。個人の意識改革だけに頼らず、財布に直接響く仕組みを作ることで、自然と健康的な選択をさせる「ナッジ」の思想が伺えます。

2019年10月の消費増税というタイミングを逆手に取り、社内での「税」と「還元」をセットにしたこの試みは、今後の企業の健康経営における先行事例となるはずです。今後は他のメニューへの展開も検討されており、社員の体調がどう変化するのか目が離せません。

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