健康診断で「メタボリックシンドローム」、通称「メタボ」やその予備軍と診断され、生活改善を促す「特定保健指導」の対象になる方は後を絶ちません。しかし、指導を受けても翌年にはまた同じ診断を繰り返してしまう方が約7割にも上るという現実に、多くの方が悩んでいるのではないでしょうか。この根深い問題に対し、オムロンヘルスケアはIT技術を駆使した新しいアプローチを開始しました。それが、2019年5月29日より提供開始された、ボット機能を活用した特定保健指導サービスです。
この新サービスは、健康保険組合を通じて個々人に提供される仕組みで、特に、指導の対象となりながらなかなか減量に結びつかない40代から50代の男性を主要なターゲットとしています。従来の指導方法では、管理栄養士による面談が月一度程度しか行われず、その間の「指導の空白期間」にモチベーションが途切れ、継続が困難になるという課題がありました。オムロンヘルスケアは、まさにこの「三日坊主」の壁を打破しようと試みているのです。
鍵となるのが、スマートフォン(スマホ)アプリに搭載された「ボット機能」です。このアプリは、通信機能付きのオムロン製血圧計や体組成計と連動し、計測データを自動で記録・管理できます。そしてボットが、機器の利用状況に応じて、平均で1日に5回ほど自動で利用者にメッセージを送信するのです。朝晩の測定を促したり、計測結果を即座にフィードバックしたりすることで、管理栄養士の代わりに日常的にリマインドし、励ましてくれるでしょう。
さらに、このサービスでは「朝晩ダイエット」という効果的な減量法が推奨されます。これは、毎朝の体重測定を基準に、その日の夜の目標体重を設定し、日中の食事や運動を通して達成を目指すというものです。ボットは夜の計測時、朝の数値と比較して何キロ増加したかを具体的に伝え、目標達成度を可視化します。これにより、利用者はより短いスパンで自分の体重を強く意識し、ダイエットを継続しやすくなることが期待されます。
オムロンヘルスケアが社内で実施した実証実験では、体重が80キロから90キロ台の方々が、半年間のプログラムで他社サービス比2倍にあたる平均2キロの減量に成功したとのことです。テクノロジーの力で行動変容を促すというこのサービスは、メタボ予防・改善における新たな時代の幕開けを告げるものだと私は感じています。同社は、2020年度までに利用者数を5,000人まで拡大し、利用開始から3年程度でのメタボ卒業を目指しているそうです。スマホのメッセージで生活習慣改善をサポートするこの画期的な取り組みは、今後、健康管理のスタンダードとなるのではないでしょうか。
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