【中国乳業の巨人が動く!】蒙牛乳業が豪ベラミーズを1100億円で買収、アジア市場の覇権争いは新局面へ

中国の乳製品業界で激震が走っています。業界第2位の規模を誇る「蒙牛乳業」は、2019年09月16日、オーストラリアの食品大手である「ベラミーズ・オーストラリア」を買収することを公式に発表しました。その投資額は最大で約78億6000万香港ドル、日本円にして約1100億円という極めて大規模なプロジェクトです。全株式を取得し完全子会社化を目指すこの動きは、停滞しつつある中国国内市場から世界へと視線を向けた、同社の強い意志の表れと言えるでしょう。

今回、買収の対象となったベラミーズ社は、特に乳児向けの粉ミルク製造で高い評価を得ている豪州の有力企業です。2018年度の売上高は約2億6600万豪ドル(約200億円)を記録し、純利益も約2170万豪ドルと堅調な数字を残しています。同社は豪州国内に留まらず、ニュージーランドや東南アジアにも幅広いビジネスネットワークを構築しており、蒙牛乳業にとっては喉から手が出るほど魅力的なブランド力と販売ルートを兼ね備えた存在だったのです。

SNS上では、この巨額買収に対して「中国企業の海外進出が凄まじい」「高品質な海外ブランドを取り込むスピード感が驚異的だ」といった驚きの声が上がっています。一方で、粉ミルクの安全性に敏感な層からは、ブランドの品質維持を注視するコメントも見られました。蒙牛乳業の盧敏放総裁は「ベラミーズの卓越した製品クオリティは、我々の持続的な成長において極めて重要だ」と強調しており、世界標準のブランドを手に入れることで、国際的な信頼性を勝ち取る狙いがあるのは明白です。

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国内市場の鈍化が背中を押す、グローバル競争への招待状

なぜ、中国の乳業メーカーはこれほどまでに海外企業を求めているのでしょうか。その背景には、中国国内の市場環境の変化があります。調査会社のデータによれば、2018年の中国乳製品市場は約4362億元(約6.5兆円)に達したものの、前年比での成長率は4.34%に留まりました。かつてのような爆発的な成長率を「鈍化」と呼ぶのは、もはや経済成長が安定期に入った証拠でもあります。しかし、企業としては次なる成長の糧を外に求めざるを得ないのが現状でしょう。

ここで注目したいのが、中国市場における「M&A(合併・買収)」の加速です。M&Aとは、既存の企業の権利を買い取ったり統合したりすることで、自社の事業規模を効率よく拡大する経営手法を指します。業界首位の「内蒙古伊利実業集団」も海外企業の買収を積極的に進めており、ライバルに遅れを取るわけにはいかない蒙牛乳業にとって、今回の豪州企業の獲得は戦略上、避けては通れない道だったと考えられます。

編集者の視点から見れば、今回の1100億円という投資は単なる規模拡大以上の意味を持っています。中国の消費者は、過去の食の安全問題を背景に、今なお海外ブランドの粉ミルクに対して強い信頼を寄せています。自国ブランドとして海外企業を傘下に収めることは、製品ポートフォリオの強化だけでなく、「安心・安全」という無形の価値を買い取ることに他なりません。インドネシアやニュージーランドにも拠点を持つ蒙牛乳業が、この買収を機にどのようなシナジーを生むのか目が離せません。

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