2019年度の九州経済に逆風?米中貿易摩擦と消費増税がもたらす業績見通しの明暗と深刻な人手不足

九州のビジネスシーンに、少しばかり不透明な霧が立ち込めています。帝国データバンク福岡支店が2019年07月03日に発表した最新の業績見通し調査によると、今年度の業績が「増収増益」になると予想した企業は23.9%に留まりました。この数字は前年度から4.2ポイントも低下しており、東日本大震災の影響があった2011年度以来、実に8年ぶりの低水準という厳しい結果です。

SNS上では「地元企業の景気実感が一気に冷え込んできた」「増税前にこの数字は不安」といった、先行きの不透明さを懸念する声が目立っています。かつての勢いに陰りが見える中で、企業経営者の方々がかつてないほど慎重な姿勢を強めている様子が伺えます。九州経済を支えてきた自信が、外部環境の激しい変化によって揺さぶられている状況だと言えるでしょう。

こうした弱気な見通しの背景には、二つの大きな壁が存在します。一つは、世界中を揺るがしている米中貿易摩擦の激化です。これはアメリカと中国が互いに関税を掛け合うなど、貿易上の対立を深めている状態を指し、輸出入に携わる製造業を中心に深刻なダメージを及ぼしています。そしてもう一つは、2019年10月に控えた消費増税による景気悪化への警戒感に他なりません。

逆に「減収減益」、つまり売上も利益も減ると予測する企業は21.0%に達し、こちらも8年ぶりの高水準を記録しました。特に生活に身近な「小売」や「卸売」業界では、増税後の買い控えを懸念するムードが充満しています。私個人の見解としては、数字以上に人々の心理的なブレーキが強く働いている印象を受けます。景気は「気」からと言いますが、現在の九州はその勢いが削がれている時期なのかもしれません。

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不動産業界の苦境と全国を上回る人手不足の深刻な実態

業種別で特に衝撃が走ったのは不動産業界でしょう。物件価格の高騰に加え、投資用不動産に対する銀行の融資審査が厳しくなったことで、増収増益を見込む企業はわずか12.5%にまで落ち込みました。これは2009年の調査開始以来、過去最低の数値です。融資審査の厳格化とは、銀行がお金を貸す際の条件を厳しくすることを意味しますが、これが市場の流動性を著しく低下させています。

さらに、九州の企業が抱える最も深刻な悩みとして浮き彫りになったのが「人手不足の深刻化」です。業績を下振れさせる要因として、実に46.5%の企業がこれを挙げています。驚くべきことに、この数字は全国平均の39.0%を大きく上回る突出した結果です。仕事はあるけれど働く人がいないという、構造的な問題が企業の成長を物理的に阻害している状況が見て取れます。

2019年03月下旬に実施された今回の調査には、九州の企業684社が回答を寄せました。編集者の視点から見れば、今まさに九州経済は「踊り場」に差し掛かっていると感じます。外部要因に翻弄されず、いかにしてこの人手不足を解消し、新しい価値を創造できるかが今後の鍵となるはずです。苦境の中でこそ、九州企業が持つ本来の底力が試される1年になることは間違いないでしょう。

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