ホームセンター大手のコーナン商事が、従来の「何でも屋」からの脱却を図り、驚きの攻勢を強めています。同社は2019年07月12日に発表した最新の決算で、純利益が前年同期比50%増の41億円という驚異的な数字を叩き出しました。好調の牽引役は、一般客ではなく「プロの職人」をターゲットにした戦略的な店舗展開です。
ネット上では「朝早くから開いているコーナンPROは神」「専門的な相談に乗ってもらえるのが心強い」といった声が職人さんたちの間で広がっています。同社は2021年02月までに、建築職人向け専門店「コーナンPRO」を約90店舗まで拡大する計画です。現場へ向かう途中に資材を揃えたいというプロのニーズを掴み、他社を圧倒するスピードでシェアを広げています。
ネット通販に負けない!「今すぐ欲しい」に応える現場主義の底力
近年は「MonotaRO(モノタロウ)」のような便利なECサイトも台頭していますが、工事現場では「今この瞬間に材料が足りない」という緊急事態が日常茶飯事です。コーナンは住宅地に近い幹線道路沿いへ戦略的に出店し、経験豊富なスタッフを配置することで、実店舗ならではの安心感を提供しています。まさに痒い所に手が届くサービスと言えるでしょう。
さらに、首都圏で強みを持つ建材卸の「建デポ」を買収したことで、関西中心だった地盤を全国区へと広げる準備も整いました。ECの利便性と対面販売の専門性を天秤にかけたとき、コーナンが選んだのは「現場の相棒」としての地位確立です。専門知識を持つ従業員が相談に乗るスタイルは、高齢化で減少する地元の建材店の受け皿としても期待されています。
ペットは家族!本格的な動物病院併設で「ついで買い」を加速
もう一つの柱が、ペット愛好家をターゲットにした大胆な施策です。コーナンは、2018年秋から着手した動物病院事業を本格化させ、今後5年間で現在の2店舗から14店舗へと一気に増やす方針を打ち出しました。単なるペットショップの延長ではなく、手術まで可能な本格的な医療施設を店内に設ける点が、競合他社との大きな差別化ポイントになっています。
昨今のドラッグストアによる日用品の安売り攻勢に対し、コーナンは「ペットの健康管理」という、価格競争に巻き込まれない付加価値を提示しました。検診の待ち時間にフードや用品を購入してもらう「ついで買い」の動線を確保することで、ECサイトへ流れがちな顧客を再び実店舗へと呼び戻す狙いです。SNSでも「買い物ついでに診察してもらえるのは助かる」と話題です。
編集者の視点:特化型戦略こそが生き残りの鍵となる
筆者の見解として、今回のコーナンの戦略は極めて合理的かつ挑戦的だと感じます。多くの小売業が「誰にでも好かれる店」を目指して埋没する中、建築職人とペット飼い主という、特定の層に対して深く刺さるサービスを磨き上げている点は見事です。ドラッグストアやネット通販が真似できない領域に踏み込むことで、独自の経済圏を築こうとしています。
2021年02月期には連結純利益120億円という高い目標を掲げる同社ですが、この勢いであれば十分に射程圏内でしょう。地域のインフラとしての利便性と、プロフェッショナルな専門性を両立させた新しいホームセンターの形が、今まさに大阪から全国へと広がろうとしています。今後の店舗展開から目が離せません。
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