日揮・佐藤雅之会長が語る「地獄の思想」と「両利きの経営」!どん底から飛躍を導くリーダーの愛読書とは?

世界を舞台に巨大なプラント建設を手掛ける日揮のトップ、佐藤雅之会長。その強靭な精神力と経営判断の根底には、意外にも哲学と最新の経営理論が共存しています。2019年07月19日、佐藤会長は自身の思考の指針となった「人生の2冊」について、深い洞察を交えて明かしてくれました。一つは哲学者・梅原猛氏の『地獄の思想』、もう一つはチャールズ・オライリー氏らによる『両利きの経営』です。この対極にあるような2冊が、どのように今の経営に結びついているのでしょうか。

梅原猛氏の『地獄の思想』は、佐藤会長が若かりし頃、アルジェリアでの困難なプロジェクトに直面していた際に出会った一冊だそうです。当時の建設現場はまさに過酷そのものでしたが、この本に記された「地獄を知るからこそ、真の救いや慈悲が生まれる」という日本仏教の死生観に、会長は強い感銘を受けました。SNS上でも「ビジネスの修羅場を経験した人ほど、この死生観の深さが身に染みる」といった共感の声が多く寄せられており、逆境を糧にするリーダーの原点がここにあることが伺えます。

ここで解説される「地獄の思想」とは、単なる恐怖を煽るものではありません。自分の弱さや醜さを直視し、極限の苦しみを認めることで、初めて他者への本当の優しさや、困難を突破するエネルギーが湧いてくるという逆説的な教えです。佐藤会長はこの思想を胸に、プラント建設という失敗が許されない厳しい世界を生き抜いてきました。絶望の淵から這い上がるための哲学は、現代の不透明なビジネス環境において、私たち一人ひとりの心にも強く響くのではないでしょうか。

一方で、経営の羅針盤として挙げられたのが『両利きの経営』です。これは「既存事業の深化」と「新規事業の探索」という、矛盾しがちな二つの要素を同時に追求する手法を指します。たとえるなら、右手のペンで現在の仕事を完璧にこなしつつ、左手の筆で未来の青写真を描くような器用さが求められるのです。SNSでは「言葉で言うのは簡単だが、実践は最も難しい経営課題だ」との議論が巻き起こっていますが、佐藤会長はこの難題に真っ向から挑み続けています。

日揮のような伝統ある大企業にとって、成功体験を積み重ねた既存ビジネスを磨き上げることは得意分野でしょう。しかし、エネルギー革命が進む2019年07月19日現在の情勢では、それだけでは生き残れません。佐藤会長は、伝統的なエンジニアリング技術を深掘りする一方で、デジタル変革や環境エネルギーといった未知の領域を切り拓く必要性を説いています。このバランス感覚こそが、企業を次なるステージへと押し上げる原動力になると確信されているようです。

私は、佐藤会長が挙げたこの2冊の組み合わせに、リーダーとしての凄みを感じずにはいられません。古の知恵である「地獄の思想」で精神的な土台を固め、最先端の「両利きの経営」で戦略を組み立てる。この静と動、古と新の融合こそが、予測不可能な時代を勝ち抜くための唯一の解ではないでしょうか。読者の皆さんも、ただ知識を得るだけでなく、自分を支える「哲学」と「武器」を、一冊の本から見つけてみることをお勧めいたします。

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