今、働き方が大きく変わる中で、「ワーケーション」という新しいスタイルが大きな注目を集めています。これは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語で、都心で働くビジネスパーソンが旅先でリフレッシュしながら業務をこなすという、まさに理想的な働き方を示すものです。この取り組みは、社員のモチベーション向上はもちろん、地方の活性化にも繋がるとして、企業や自治体からの期待が非常に高まっています。
この新しい働き方の環境整備に向けて、大手企業とスタートアップ企業との連携が加速しています。例えば、大手住宅メーカーである大和ハウス工業と、日本最大級のクラウドソーシングサービスを運営するランサーズ(東京・渋谷)がタッグを組み、この動きを力強く推進している状況です。より自由な働き方を望む社員のニーズに応えようと、すでに大手企業の間でも、ワーケーションを容認する動きが広がりを見せています。
大和ハウスとランサーズは、連携の第一歩として、2019年3月中旬に東京都内でイベントを開催されました。北海道鹿部町や石川県志賀町といった地域と協力し、ワーケーションや、地域や職種の垣根を超えて2つの仕事を掛け持ちする「デュアルワーク」を希望する人々を対象としたセミナーを実施されました。約30名の参加者が集ったこのイベントでは、両町に移住した「先輩移住者」の貴重な体験談を聞いたり、2つの町が抱える課題の解決策を探るワークショップを行ったりと、充実した内容が提供されました。ランサーズによれば、参加者の関心度は非常に高かったとのことで、この新しい働き方への関心の高まりを肌で感じられます。
両社の今後の展開として、大和ハウスが所有する森林住宅地に滞在し、現地の地域産業の就業を体験できる企画などが予定されています。このような活動を通じて、ワーケーションに関するノウハウを蓄積し、本格的な事業展開を目指していくでしょう。また、連携先の鹿部町や志賀町は、都市部からの移住者、すなわちIターン人材の誘致を拡大することによる地域活性化の実現を目指す方針です。
旅行業界や不動産業界も参入!ワーケーションは全国的なトレンドへ
旅行大手のJTBも、この波に乗っています。2019年4月からは、スノーピークビジネスソリューションズ(愛知県岡崎市)と協力し、ワーケーションを支援する商品の販売を開始されました。具体的には、ハワイなどの人気観光地に専用の拠点を設け、旅行商品に組み込む形で企業向けなどにサービスを提供されています。また、森トラストも2019年春より、スタートアップ企業と協業するプログラムを立ち上げ、ワーケーションの普及を推進されています。
不動産業界では、三菱地所が和歌山県などとワーケーション事業に関する協定を結び、2019年5月には同県白浜町に専用のオフィスを開設されました。このように、様々な業界の大手企業が参入し、働く場所の多様化が急速に進んでいる状況です。日本航空(JAL)では2017年からすでに自社の社員を対象にワーケーションを導入しており、長野県も県内7つの自治体をモデル地域に指定するなど、取り組みは全国的なトレンドになりつつあります。
ワーケーションは、副業などと並び、政府が進める**「働き方改革」の一環としても強い関心が寄せられています。内閣府は、その効果を検証するために沖縄県で長期滞在型のテレワークの実証実験を実施されました。また、広島県福山市が首都圏のIT(情報技術)人材を呼び込むためのワーケーション事業を立ち上げるなど、自治体の動きも非常に活発です。
日本の大きな課題である労働生産性**の改善に繋がる可能性を秘めたワーケーションは、企業の枠を超えた連携や、自治体の積極的な取り組みを背景に、今後さらに多くの注目を集めることになるでしょう。私見ですが、この動きは、場所にとらわれない新しい働き方の可能性を広げるだけでなく、地方の隠れた魅力を再発見し、地域の持続的な発展に大きく貢献する、非常に意義深いトレンドであると確信しています。
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