日経平均420円高でも円高が止まらない?米利下げ観測で揺れる2019年7月の為替相場を徹底解説

2019年07月20日、日本の株式市場は活気に満ちあふれ、日経平均株価が前日比420円という驚異的な値上がりを記録しました。通常、株価が大きく上昇すると投資家のリスク許容度が高まり、安全資産とされる円が売られて「円安」に進むのが通例です。しかし、足元のマーケットでは、この長年のセオリーが通用しない異例の事態が発生しています。株価がこれほど力強く跳ね上がっているにもかかわらず、円相場にはじわじわと上昇圧力がかかり続けているのです。

この不思議な現象の背景には、海の向こう側であるアメリカの金融政策が深く関わっています。現在、投資家の視線は2019年07月末に開催予定の米連邦公開市場委員会、いわゆる「FOMC」に釘付けと言えるでしょう。FOMCとは、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)が、景気をコントロールするために政策金利を決定する極めて重要な会議のことです。この会議において、大幅な利下げが行われるのではないかという観測がにわかに現実味を帯びてきました。

スポンサーリンク

0.5%の大幅利下げ観測が円高を加速させる理由

市場を揺さぶる大きなきっかけとなったのは、2019年07月19日未明に飛び出したニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁による発言です。同氏が追加の利下げに対して非常に前向きな姿勢を示したことで、投資家の間では「金利が0.25%ではなく、一気に0.5%も引き下げられるのではないか」という期待が急速に膨らみました。SNS上でも「米国がついに本気で緩和へ舵を切るのか」「円高の準備をしておくべきか」といった警戒感混じりの声が相次いでいます。

一般的に、アメリカの金利が下がれば、より高い利回りを求める資金はドルを離れ、円へと流れていきます。これが「日米金利差の縮小」と呼ばれる現象で、ドルを売って円を買う動きを加速させる決定打となるのです。実際にシカゴ・マーカンタイル取引所が算出する「Fedウォッチ」という指標を確認すると、0.5%の利下げを予想する確率が一時5割を突破しました。わずか1週間前には雇用統計の好調さを受けて2割程度まで低下していた期待が、再び主役に躍り出た形です。

外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏も、記録的な株高の中で円安が進まない現状に驚きを隠せません。2019年07月19日の東京外国為替市場を振り返ると、円相場は1ドル=107円台半ばという、前日とほぼ変わらない水準を維持していました。こうした状況に対し、専門家の間では「これまでのドル高を修正するトレンドは揺るぎない」との見方が大勢を占めています。みずほ銀行の唐鎌大輔氏が指摘するように、まさに三歩進んで二歩下がるような粘り強い円高が続いていくでしょう。

私個人の見解としては、現在の市場は非常に「疑心暗鬼」な状態にあると感じます。株価が上がっているからといって楽観視するのではなく、米国の景気後退を未然に防ごうとするFRBの強い危機感に、投資家が過敏に反応している証拠ではないでしょうか。実体経済と株価、そして為替のバランスが崩れかけている今こそ、私たちは目先の数字に惑わされず、長期的な資金の流れを見極める冷静な視点が求められていると言っても過言ではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました