2019年07月27日の「土用の丑の日」を目前に控え、本来は自然環境を守るべき立場にある環境省の公式SNSが、思わぬ形で世間の注目を集めています。事の発端は、同省が公式ツイッター(現X)上で行ったウナギに関する呼びかけでした。投稿では、食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」を防ぐため、ウナギを予約して大切に食べるよう国民に促す内容が記されていたのです。
しかし、この発信に対してインターネット上では瞬く間に批判の声が沸き起こりました。ニホンウナギは現在、絶滅の恐れがある「絶滅危惧種」に指定されており、環境省自らがその保護を訴える立場にあります。SNSでは「絶滅しそうな魚を食べるよう推奨するのは矛盾しているのではないか」といった厳しい意見が相次ぎ、議論が紛糾する事態へと発展してしまいました。
さらに問題に拍車をかけたのが、投稿に添えられた「うな重」の画像です。調査の結果、この写真は飲食店検索サイト「ぐるなび」から無断で転用されたものであることが判明しました。環境省は2019年07月24日までに、著作権侵害の恐れがある不適切な行為だったとして公式に謝罪し、当該の投稿を削除する対応に追われることになったのです。
食品ロスとは、まだ十分に食べられる状態であるにもかかわらず、廃棄されてしまう食品のことを指す専門用語です。今回の騒動を受け、原田義昭環境相は2019年07月23日の閣議後記者会見にて、あくまで廃棄を減らす努力を求めたものであり、ウナギの消費を積極的に煽る意図はなかったと釈明しました。真意を伝える難しさが浮き彫りになった形といえるでしょう。
私個人の見解としては、環境省という組織の特性上、食品ロス削減と生物多様性の保全という二つの重要な課題の間で、より慎重な情報発信が求められたと感じます。たとえ善意の呼びかけであっても、絶滅が危惧される動植物を扱う際は、その希少性に対する配慮が欠かせません。今回の件を教訓に、公的機関には正確かつ倫理的な発信を期待したいところです。
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