2019年6月6日付で、飲食店の集客に革新をもたらす定額制サービスが登場しました。その名も**「nomocca(ノモッカ)」です。このサービスは、新興企業TRIBE(トライブ)が提供するもので、最大の特徴は、月額わずか500円(税込)で、加盟店での最初のドリンク1杯が毎日無料になるという画期的な仕組みにあります。飲食店の経営者が直面する集客の悩みを、店舗側に負担をかけないユニークなビジネスモデルで解決し、既存の大手予約サイトとは一線を画す存在として、大きな注目を集めています。
サブスクリプション(定額制)モデルを採用しているnomoccaの利用方法は極めてシンプルです。ユーザーはスマートフォンなどの専用アプリで会員登録をおこない、アプリ内課金で毎月500円を支払います。クレジットカードの登録は不要で、手軽に始められるのが魅力ですね。提携している居酒屋やバー、イタリアンなど幅広いジャンルの店舗から、行きたいお店と無料で飲みたいドリンク1杯を選びます。すると、アプリ上で「nomocca カンパイチケット」が1日1回まで発行され、来店時にこれを店員に見せるだけで、最初の1杯が無料で楽しめるという流れになっています。
当時の提供エリアは東京が中心で、チェーン店から個性的な個店まで、約350店舗で利用可能となっていました。従来の飲食店予約サービスでは、お店側が月額の掲載料や、予約成立ごとの手数料**(成功報酬)を支払うのが一般的です。しかし、nomoccaでは店舗側のそうした費用は一切発生しません。お店が負担するのは無料提供するドリンク1杯分の原価のみで、これは集客に頭を悩ませる飲食店にとって、非常に導入しやすいモデルだと言えるでしょう。私個人としても、この「店舗負担ゼロ」の集客支援策は、飲食店の活性化に繋がる素晴らしい発想だと感じています。
TRIBEは2017年9月に設立され、これまでは主にインターネット広告の代理事業を主力としていました。高橋史弥社長は、インターネット広告大手であるサイバーエージェントの出身です。広告のデザイン全体を指すクリエーティブを媒体ごとに最適化して出稿するなど、高い知見を活かした広告運用に自信を持っています。高橋社長はサイバー時代、文字通り「365日のうち一日も仕事をしなかった日はない」というほどの猛烈な働きぶりだったといい、その経験と熱意が新事業にも注ぎ込まれているのでしょう。社長は大学時代から経営者を志しており、満を持して独立を決意したのです。
nomoccaのサービスが開始されたのは2019年2月です。高橋社長は、「一般的な予約サービスは、高い掲載費用を払っても、必ずしも売り上げが伸びるとは限らないケースがあります。そうした負担を店側に強いることなく、純粋に集客をサポートしたかった」と、サービス立ち上げの動機を語っています。飲み物1杯無料の定額サービスは、GUBITなどの競合他社も手掛けていますが、高橋社長は「競合は特に意識していない」としています。これは、自社のビジネスモデルへの確固たる自信の表れだと推察されます。
【ユーザーの好みに応じたAI導入】そして「飲食界のスポティファイ」へ
当時の社員数は7名と少数精鋭でしたが、TRIBEは今後の体制強化を図る考えを示していました。高橋社長は、nomoccaを「飲食界のスポティファイ(世界的な音楽ストリーミングサービス)にしたい」という大きな目標を掲げています。これは、ユーザーにとって「日常の当たり前のインフラ」になることを目指すという強い意志の表明でしょう。具体的な事業展開として、2019年度中には提携店舗数を2,000店に、会員数を3万人にまで拡大したいという意向を示していました。
さらに、サービス開始から半年以内には、最先端技術であるAI(人工知能)の導入を予定していました。AIを活用することで、掲載店舗がユーザーそれぞれの嗜好や利用履歴に応じて表示されるようになります。これは、お店側にとっては本当に来てほしい客層への露出が増え、ユーザー側にとっては「自分の好みのお店」と出会える確率が高まるという、双方にとってメリットのある施策だと考えられます。数年後には、全国の主要都市でのサービス展開も視野に入れており、このnomoccaの登場は、飲食業界のあり方を根本から変える可能性を秘めていると言えるでしょう。
この革新的なサービスに対するSNSでの反響も大きく、「月500円で毎日1杯タダなら、すぐに元が取れる」「飲み会前の『ゼロ次会』で使いたい」といった、ユーザー目線でのコストパフォーマンスの高さを評価する声が目立ちました。一方で、「無料ドリンクの種類は選べるのか」「近所に対象店舗があるか知りたい」など、具体的なサービス内容に関する関心の高さを示す意見も多く見受けられました。このサービスは、集客に困る飲食店と、お得に外食を楽しみたい消費者を繋ぐ、まさに時代に求められたマッチングプラットフォームへと進化していくのではないでしょうか。
コメント