2019年6月7日、関西電力は、水力発電施設に革命をもたらす新たな点検技術を発表しました。それは、発電のために大量の水を流す主要な鉄管(水圧鉄管)内部を、ドローンを用いて点検するという画期的な取り組みです。特に注目すべきは、これが傾斜した管の中という、閉鎖された空間で傾いた構造物をドローンが移動して点検する国内初の技術であるという点でしょう。この技術は、国内のインフラ維持管理における大きな一歩となるに違いありません。
水力発電所の水圧鉄管は、山間部などに設置され、大きな落差と水圧に耐えながら水をタービンまで送り届ける重要な設備です。その内部の異常は、発電効率の低下や、最悪の場合、重大な事故につながる可能性も秘めています。従来、こうした鉄管の点検は、水を抜いた後に人が入って行う必要があり、非常に時間とコストのかかる作業でした。しかし、この関電の新しいドローン点検技術によって、その状況は一変すると期待されています。
関電がインフラ関係コンサルティングを手掛けるNJS(エヌ・ジェイ・エス、本社:東京・港区)などと連携して開発したこのドローンは、特異なメカニズムを備えています。ドローン本体に取り付けられたプラスチック製の「尻尾のような器具」が、鉄管の内側、すなわち管面に優しく接触することで、機体のバランスを巧みに制御し、傾斜した管路内をスムーズに移動できる設計になっているのです。この安定した飛行・移動技術こそが、閉鎖空間での点検を可能にする鍵を握っています。
このドローン技術の導入は、安全性の向上だけでなく、経済的なメリットも非常に大きいと見られています。従来の点検では、およそ3日間を要し、費用は平均で数百万円規模に上っていましたが、ドローンによる点検は、点検期間と費用の両方をほぼ半減させる効果が見込まれています。これは、電力会社にとって維持管理コストの大幅な削減に直結する、非常に魅力的な提案と言えるでしょう。
関西電力は、自社が保有する72本の水圧鉄管のうち、このドローンを活用できるものから順次導入を進める計画です。今年度中には最大6本の鉄管で活用する見通しで、その実績を積み重ねていくことになります。岩根茂樹社長は記者会見で、「他電力でも当面10件程度の受注をめざしていきたい」と力強く語っており、この技術を関電の設備に留まらず、他の電力会社にも積極的に売り込んでいく考えを示しています。
このニュースに対し、SNS上では「老朽化する日本のインフラを救う技術だ」「危険な場所での作業が減るのは素晴らしい」「ドローン技術の応用範囲の広さに驚いた」といった、期待と賞賛の声が多数寄せられています。水力発電というクリーンエネルギーの安定供給に不可欠なインフラ点検を、先端技術で効率化・高度化する関電の取り組みは、社会貢献性が非常に高く、日本のインフラ維持管理のあり方を大きく変革するポテンシャルを秘めていると私は考えます。
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