創薬の歴史を変える!アスピリンからバイオ医薬品へ、第一三共・中山会長が語る命を救うイノベーションの最前線

人類の歴史は、古来より病との絶え間ない闘いの連続でした。かつて人々は、自然界に存在する植物の中から薬効を見出し、その抽出物を頼りに健康を守ってきたのです。しかし、長い年月を経て、私たちの医療は二つの決定的な技術革新、すなわち「イノベーション」によって劇的な進化を遂げました。その歴史を紐解くことは、現代医療の価値を再発見する旅でもあります。

最初の大変革が訪れたのは19世紀のことでした。柳の樹皮に含まれる解熱鎮痛成分「サリチル酸」が単離されましたが、当時は副作用が強いという課題を抱えていたのです。そこで研究者たちは、化学の力でこの成分を「アセチルサリチル酸」へと進化させ、人類初の合成医薬品である「アスピリン」を誕生させました。これにより、化学合成による創薬という輝かしい新時代が幕を開けたのです。

SNS上では、このアスピリンの誕生について「100年以上も前に生まれた薬が、今も現役で多くの人を救っているのは驚異的だ」という敬意の念や、「一人の知恵が何億人もの痛みを取り除いた事実に感動する」といった声が多く寄せられています。合成医薬品の普及は、まさに人類にとって計り知れない福音となりました。しかし、この時点ではまだ、生体内で複雑な働きをする巨大なタンパク質分子を人工的に作り出すことは不可能とされていたのです。

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バイオ医薬品が切り拓く新時代と日本の挑戦

物語は1970年代、アメリカで開発された「遺伝子組み換え技術」によって第二の転換点を迎えます。これは大腸菌などの微生物にヒトの遺伝子を組み込み、特定のタンパク質を大量生産させる画期的な手法です。この技術を基盤としたベンチャー企業の誕生により、従来の合成医薬品とは一線を画す「バイオ医薬品」の時代が到来しました。この変化は、医療の常識を根底から覆すほどの衝撃を世界に与えたのです。

バイオ医薬品のスケール感は、従来の合成薬とは比較になりません。例えるならば、二輪のバイクがいきなり巨大なジェット機のボーイング777に進化したような圧倒的な違いがあります。2018年の世界医薬品売上ランキングを振り返ると、上位10品目のうち実に8つをこれらバイオ医薬品が占めています。日本は長年、合成医薬品の分野で世界を牽引してきましたが、バイオ技術においては依然としてアメリカがリードを保っている現状があります。

しかし、未来を悲観する必要はありません。現在、iPS細胞の活用や免疫メカニズムの解明といった生命科学の未知なる領域において、新たな競争が始まっています。私は、日本が誇る繊細な合成技術と最新のバイオ技術を融合させることで、次世代の革新的な治療法が生まれると確信しています。創薬に挑む研究者たちの情熱がある限り、病に苦しむ人々へ希望を届けるイノベーションは、2019年8月5日現在も止まることなく加速し続けているのです。

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