モノを持たない新時代!シェアリングエコノミーが変える景気循環とサブスクの正体

東京の両国にある江戸東京博物館を訪れると、かつての長屋暮らしの知恵に驚かされます。江戸時代の人々は驚くほど少ない家財道具で、豊かなコミュニティを築き上げていました。翻って現代の私たちは、あまりにも多くの所有物に囲まれて生活しているのではないでしょうか。しかし、2019年10月02日現在の社会を見渡すと、私たちの価値観に大きな地殻変動が起きていることが分かります。

かつては「所有すること」が豊かさの象徴でしたが、現在は最低限のモノだけで暮らすミニマリストや、必要な時だけ共有するシェアリングサービスが台頭しています。特に、毎月一定額を支払うことでサービスを利用できる「サブスクリプション(定額課金)」は、音楽やファッション、さらには車に至るまで浸透しました。SNSでも「所有のストレスから解放された」といった、このライフスタイルの変化を歓迎する声が溢れています。

企業活動においても、自社で設備を抱え込むリスクを避け、リースや外注を駆使する動きが加速しています。さらに在宅勤務の普及は、オフィスという物理的な空間への依存度を下げつつあります。こうした「モノを持たずに使う経済」への移行は、単なる流行ではなく、効率性を追求した必然の結果と言えるでしょう。私自身も、物理的な所有に縛られない自由こそが、現代の真の豊かさであると感じています。

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「売るだけ」では稼げない?GDPに現れる構造変化

興味深いことに、モノを所有しなくなったからといって、モノ自体の需要が消えたわけではありません。実質GDP(物価変動を除いた国内総生産)における財の比率は、1960年代から意外にも大きく低下していないのです。しかし、名目GDP(実際の金額ベース)で見るとその比率は下がっています。これは、モノを作るだけでは利益を上げにくい「低収益化」が進んでいることを示唆しています。

この変化は、これまでの「景気循環」の常識を根底から覆す可能性を秘めています。モノを持たない経済では、過剰な在庫や設備投資による景気の波が穏やかになると予想されるからです。さらに、グローバル化されたネットワークを通じて世界中から即座に物資が届くため、物価もかつてほど激しく動かなくなっています。従来の「インフレが進んで金利が上がる」というサイクルは、もはや過去のものになりつつあります。

一方で、デジタルの力でも解決できないのが「人の移動」の限界です。労働力の需要が高まれば、当然ながら賃金は上昇します。しかし、製品価格を上げにくい現在の構造下では、人件費の増加が企業の利益を直接圧迫してしまいます。物価が安定していれば経済も安泰だという神話は、いまや通用しません。私たちは、賃金上昇が引き金となる新たな形の景気後退リスクに備えるべき局面に立たされているのです。

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