【在宅緩和ケアの質を測る指標】8割超えの看取り率が示す「自宅での最期」を叶える医療のあり方

多くの方にとって、人生の最期をどこで迎えるかは非常に重要な問題でしょう。さまざまなアンケート調査によると、半数以上の方が「できれば住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と希望していることが分かっています。しかし、その望みを現実にできるかどうかが大きな課題となっているのが現状です。

この自宅での「看取り」を実現するための必要条件は、大きく分けて二つあります。一つは「24時間対応可能な在宅医療」の提供体制です。そしてもう一つが「24時間対応可能な在宅介護」の体制です。この介護には、ご家族や友人・知人のサポートだけでなく、訪問介護サービスも含まれます。この二つの体制が連携してチームを組み、適切な緩和ケアを提供することで、人々が望む在宅での看取りが可能になるのです。どちらか一方が欠けてしまうと、在宅での看取りは極めて困難になってしまうでしょう。

ここで注目したいのが「在宅看取り率」という指標です。これは、在宅で療養されている患者さんのうち、ご本人やご家族が希望された通りに最期まで自宅で過ごされた患者さんの割合を指しています。この率を高めるためには、病気であっても老衰であっても、死に至る過程で生じる様々な身体的、あるいは精神的な苦痛を適切に和らげること、すなわち「緩和ケア」の提供が不可欠となります。また、ご家族を含めた介護者が、不安なく最期まで介護を続けられるようなサポート体制も重要となります。

適切な緩和ケアが提供されれば、患者さんの苦痛が軽減され、ご家族も安心して介護できるようになるため、「在宅看取り率」は必然的に高くなるはずです。逆に、この看取り率が低いということは、適切な緩和ケアが十分になされていない可能性を示唆しています。このことからも、「在宅看取り率」は、「在宅緩和ケアの質」を示す重要な指標の一つになり得ると考えられます。

実際に、緩和ケア医である山崎章郎先生が運営するクリニックでは、がん患者さん、非がん患者さんを問わず、「在宅看取り率」が80パーセントを超えているとのことです。これは、多くの方の「最期は自宅で」という願いが叶えられている証拠であり、適切な在宅緩和ケアが展開されていることの現れでしょう。私自身の意見としても、この高い看取り率は、患者さんとご家族の意思を最大限に尊重し、医療と介護が密接に連携している理想的なモデルケースだと強く感じます。

この記事が掲載された2019年6月8日時点において、SNS上などでの反響を想像するに、「在宅での最期」を望む人々の声は非常に大きいと思われます。特に、山崎先生のクリニックでの8割超えという看取り率は、多くの在宅医療・介護関係者にとって、目指すべき質の高いケアの基準として大きな希望を与えているに違いありません。今後、このような適切な在宅緩和ケアが全国各地で展開されることを切に願っています。

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