夏の北海道を代表する味覚といえば、なんといっても甘みが強いトウモロコシですよね。2019年08月21日から、日本航空(JAL)と農業総合研究所がタッグを組み、新千歳空港周辺で収穫されたばかりのトウモロコシを、その日のうちに首都圏のイオンで販売する画期的な取り組みがスタートします。これまでは距離の壁に阻まれて実現が難しかった「北海道の本当の美味しさ」が、ついに東京の食卓へ最短距離で届けられるようになります。
今回のプロジェクトには千歳市周辺の農家4戸が参加しており、そのスケジュールは驚くほど過密です。農家の皆さんは2019年08月21日の午前04時には畑へ出て、1分1秒を争うように収穫作業を行い、午前06時には空港の集荷場へと運び込みます。その後、午前08時発の羽田行きの定期便に積み込まれたトウモロコシは、午前11時にはイオンの店頭に並ぶ予定です。このスピード感には、SNSでも「物流の進化が凄すぎる」と驚きの声が上がっています。
鮮度の秘密は「呼吸」にあり!なぜ空輸でなければならないのか
トウモロコシは非常にデリケートな野菜で、収穫した瞬間から糖分が分解され、甘みがどんどん失われていく性質を持っています。これまでの物流では、北海道から首都圏へ届くまでに船便で3日から4日を要しており、どうしても鮮度の低下は避けられませんでした。しかし、今回導入された航空便を利用すれば、収穫からわずか数時間で店頭に並べることが可能です。これにより、産地でしか味わえなかった「弾けるような甘さ」が維持されるのでしょう。
コスト面を見ると、空輸は従来のトラックや船を使った輸送に比べて3倍以上の費用がかかるという現実があります。それでも、この挑戦には「鮮度そのものをブランド価値にする」という強い決意が込められています。消費者が「少し高くても本当に美味しいものを食べたい」と願う現代において、この鮮度へのこだわりは大きな武器になるはずです。SNS上では「北海道で食べるあの味が家で楽しめるなら、多少の価格差は気にならない」といった期待のリプライが相次いでいます。
ITの力で農業を変える、農業総合研究所の革新的なプラットフォーム
この仕組みを支える「農業総合研究所」についても触れておきましょう。同社は2007年の設立以来、IT(情報技術)を駆使して農家と小売店を直接結びつけることを目指してきました。今回のプロジェクトでも、農家はスマートフォンを使って各店舗の売れ行きをリアルタイムで確認し、自ら販売価格や出荷先を決定します。こうした「顔が見える」販売形態は、消費者にとっても大きな安心感に繋がるのではないでしょうか。
特筆すべきは、農家の収益性の高さです。農総研の仕組みを利用することで、農家は売上の約6割を手にすることができ、これは従来の農協経由の出荷と比べて2割から3割も高い収益となります。単に美味しいものを届けるだけでなく、生産者の努力が正当に報われる持続可能な農業の形を提示している点には、私も深く共感いたします。ITと物流の融合が、日本の農業に新しい風を吹き込んでいる事実は、非常に喜ばしいことです。
北海道全域へ広がる期待、旬の味覚がより身近になる未来へ
今回の取り組みは2019年10月中旬ごろまで継続される予定ですが、これはあくまで第一歩に過ぎません。今後は旭川空港など新千歳以外の拠点でも集荷場を設け、トウモロコシ以外の農産品についても空輸の輪を広げていく計画があるそうです。北海道の広大な大地で育まれた多種多様な野菜や果物が、次々と「朝採れ」の状態で首都圏に届く日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。
物流コストという課題を、付加価値という魅力で塗り替えるこの試みは、今後の地方創生における重要なヒントになるでしょう。私個人としても、このような「熱意ある生産者」と「高度なインフラ」が結びつくことで、日本の食文化がさらに豊かになることを切に願っています。まずは今週末、イオンの店頭で北海道の夏の香りを手に取ってみてはいかがでしょうか。きっと、これまで食べていたトウモロコシとは一線を画す感動が待っているはずです。
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