【2019年最新】日野自動車の廃熱で温水プールがポカポカに?NEDOらが挑む「ハスクレイ」蓄熱実証実験の全貌

東京都羽村市において、これまで見過ごされてきたエネルギーを有効活用する画期的な試みが、2019年08月20日から産声を上げました。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を筆頭に、日野自動車や高砂熱学工業といった錚々たるメンバーが集結し、工場の廃熱を街の施設へ届ける実証実験がスタートしたのです。

今回の取り組みは、日野自動車羽村工場から発生する「低温廃熱」を回収し、約2キロメートル離れた羽村市スイミングセンターの温水プールで再利用するというものです。SNS上では「工場の熱でプールが温まるなんて魔法みたい」「エコの最先端を行っている」といった、驚きと期待が入り混じった声が数多く寄せられています。

そもそも「低温廃熱」とは、工場などで発生するものの、温度が100度前後と低いために使い道が乏しく、そのまま大気中へ放出されてしまう熱を指します。これを無駄にせず、あたかも「熱の缶詰」のように閉じ込めて運ぼうというのが今回のミッションです。未利用エネルギーの宝庫とも言えるこの分野にメスを入れる姿勢には、私も強く共感いたします。

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魔法の材料「ハスクレイ」が熱を運ぶ仕組み

このプロジェクトの主役を担うのは、産業技術総合研究所が開発した「ハスクレイ」という特殊な蓄熱材です。これは粘土鉱物と特定の成分を組み合わせた無機系の材料で、湿気を吸ったり吐いたりする際に熱を出し入れする性質を持っています。まさに、科学の力で熱を自由自在に操るための画期的な「スポンジ」と言えるでしょう。

具体的なプロセスは、まず日野自動車のコージェネレーションシステム(電気と熱を同時に作る効率的な仕組み)から出る80度から150度の排ガスをハスクレイに当てて、水分を飛ばし乾燥させます。この「乾燥した状態」が、エネルギーを蓄えた充電完了のサインなのです。この状態をキープすれば、熱を閉じ込めたまま目的地へ運搬することが可能になります。

プール施設に到着した後は、今度は30度から40度の湿った空気をハスクレイに吹き付けます。すると材料が水分を吸収し、化学反応によって70度から100度の熱を放出するのです。この熱をプールの水に伝えることで、ガスなどの燃料を余分に使わずに水温を快適に保つことが期待されています。非常にスマートで、理にかなったシステムではないでしょうか。

この壮大な実験は2020年02月まで続けられる予定となっており、除湿や暖房などへの応用も見据えた技術の確立を目指しています。企業と自治体が手を取り合い、見捨てられていた熱を「宝」へと変えるこの挑戦は、持続可能な社会を築くための重要な一歩となるでしょう。私たちの暮らしが、工場のぬくもりで彩られる日はすぐそこまで来ています。

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