「福祉」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを抱くでしょうか。どこか自分とは遠い世界の、特別な支援を必要とする人たちのためのものだと思っていませんか。そんな固定観念を根底から覆し、障害のあるなしに関わらず誰もがカッコよく、自然に混ざり合える社会を目指して走り続けている人物がいます。ピープルデザイン研究所の代表理事を務める、須藤シンジさんです。
須藤さんが提唱するのは、単なるバリアフリーを超えた「ピープルデザイン」という考え方です。これは、特定の誰かのための特別な配慮ではなく、洗練されたファッションや機能的なプロダクト、そしてワクワクするような街づくりを通じて、心理的な境界線を溶かしていく手法を指します。モノや場所のあり方を変えることで、誰もが等身大で社会に参加できる未来を、彼は2019年08月22日現在、力強く描き出しているのです。
これまで須藤さんは、プロダクト制作や都市開発において、マイノリティとマジョリティの間に横たわる「壁」を取り払うことに情熱を注いできました。しかし、理想を現実のものにするためには、遊びや暮らしの場だけでなく、日々の生活の基盤となる「働く場」での共生が不可欠だと彼は強調します。障害を持つ方々が能力を存分に発揮し、経済的に自立できる仕組み作りこそが、今の日本に課せられた大きな宿題と言えるでしょう。
直近の政府統計によれば、日本国内における障害者の数は約963万人に達しています。これは日本の総人口の約7.6%に相当し、決して少なくない数字です。それにもかかわらず、職場での交じりあいが進まない現状には、依然として「就労の壁」という大きな課題が立ちはだかっています。この現実に、SNS上では「デザインの力で働く意欲が湧く環境が増えてほしい」といった、変革を期待する声が数多く寄せられているようです。
共生社会の鍵を握る「就労の壁」を打ち破るクリエイティブな挑戦
私自身の視点から言えば、須藤さんの取り組みは福祉を「慈悲の対象」から「文化的な価値」へと昇華させている点において、極めて画期的だと感じます。多くの人が福祉を「守るべきもの」と捉えがちな中、彼はあえて「カッコよさ」を武器にしました。人は魅力的なものに惹かれ、自然とそこに集まります。このポジティブなエネルギーが、障害という記号を消し去り、一人の人間としての魅力を引き出す鍵になるはずです。
2019年08月22日の時点で示された「963万人」という数字は、裏を返せば、まだ眠っている膨大な才能が日本に存在していることを意味します。この多様な人々がビジネスの現場で個性を発揮すれば、停滞する日本経済に全く新しい視点やイノベーションをもたらすに違いありません。就労の壁を壊すことは、福祉の充足であると同時に、社会全体の豊かさをアップデートするプロジェクトでもあるのだと確信しています。
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