【物流崩壊の危機】大量の段ボールと格闘して気づいた、私たちが「お客様」として今すぐ改めるべきこと

クリック一つで翌日には商品が届く、そんな便利な生活が当たり前になった2019年6月13日現在、皆さんのご自宅にはどれくらいの段ボールが届いていますか。エッセイストの岸本葉子さんが綴る日常の一コマは、まさに現代人が直面している「便利さの裏側」を鋭く突いています。岸本さんの元には、ある日なんと6カ所から荷物が届いたそうです。本に収納用品、ジムのシューズ、さらに重たいお米や水が3箱も。これらを開封し、段ボールを潰してまとめる作業だけで、彼女はぐったりと疲れ果ててしまったといいます。

病後の体力回復期には、この「箱つぶし」作業がどれほど過酷だったことか。皆さんも経験があるのではないでしょうか。ネット通販の段ボールは頑丈に作られている分、解体するのにも一苦労です。岸本さんは、高齢化社会が進む中で「箱つぶし代行」や「開梱サービス」なんてビジネスが登場するかもしれない、と一瞬想像を膨らませます。しかし、すぐにその考えを打ち消しました。なぜなら、サービス以前の問題として、そもそも「荷物を届けてくれる人」自体がいなくなる危機が迫っているからです。

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深刻化する「人手不足」と物流の限界

私たちが肌身で感じている通り、物流業界の人手不足は限界に達しつつあります。宅配大手が「12時から14時」の配達時間帯指定を廃止したときの衝撃は記憶に新しいでしょう。さらに最近では、郵便局までもが人手不足を理由に土曜配達の休止を検討しているというニュースが駆け巡りました。これは単なる企業の都合ではなく、日本の人口構造そのものが変化していることの証左です。生産年齢人口、つまり働き手が減少する中で、私たちの便利な生活を支える現場は悲鳴を上げています。

SNS上でもこの話題は大きな反響を呼んでおり、「再配達をお願いするのが申し訳なくて、営業所に取りに行っている」「送料無料が当たり前だと思っちゃいけないよね」といった、配送業者への配慮を示す声が多く見られます。一方で、「時間指定したのに来ないことがある」といった不満の声も散見されますが、それに対して「ドライバーさんが倒れたら元も子もない」と諭すような意見が増えているのが印象的です。私たちは今、サービスの質を追求するよりも、システムを維持することの難しさを共有すべき時期に来ているのでしょう。

私たち消費者にできる「小さな改革」

では、通販ヘビーユーザーである私たちは何をすべきなのでしょうか。岸本さんは、コンビニの若い店員さんや外国人スタッフに対し、「働いてくれているだけでありがたい」と感じるようになったそうです。かつては接客態度に眉をひそめることもあったかもしれませんが、彼らがいなければ通販の支払いさえままならないのが現実です。私たちに必要なのは、完璧なサービスを求める「お客様意識」を少し横に置き、社会を構成する一員として現場を支える視点を持つことではないでしょうか。

具体的にできることとして、注文時に「まとめて配送」を選択して配送回数を減らすことや、確実に在宅できる日時を指定することが挙げられます。また、着払いの際には釣り銭が出ないよう小銭を用意しておくといった、ほんの少しの気遣いも大切です。そして何より重要なのが、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」をしないことです。これは、顧客が理不尽な要求や暴言を吐く行為を指す言葉ですが、こうした言動で現場のスタッフを精神的に追い詰め、離職させてしまうことは絶対に避けなければなりません。

2019年の今、私たちが享受している便利さは、誰かの過重労働の上に成り立っている可能性が高いのです。物流が止まってしまえば、生活そのものが立ち行かなくなります。「お金を払っているんだから当然」という考えを捨て、荷物を受け取る際の一言の「ありがとう」や、再配達を減らすための工夫など、できることから始めてみませんか。それが巡り巡って、自分たちの生活を守ることにつながるはずです。

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