自販機大手のダイドーが仕掛ける450億円の「大勝負」!脱・自販機依存で挑む新ビジネスの全貌とは

「ダイドーブレンド」でお馴染みの飲料メーカー、ダイドーグループホールディングスが、これまでの常識を覆す大胆な一歩を踏み出しました。同社は2019年08月28日、新たな中期経営計画において、将来の成長を見据えた総額450億円もの巨大な投資を断行することを発表したのです。その内訳は驚くべきもので、全体の7割を超える330億円が「新規事業」へと惜しみなく投入される計算となっています。

今回の改革で最大の注目点は、同社が長年、収益の柱としてきた「自動販売機ビジネス」からの脱却を目指している点でしょう。昨今のコンビニコーヒーの普及やドラッグストアとの競合により、自販機飲料の市場はかつてない逆風にさらされています。こうした厳しい環境下で生き残るため、同社はあえて既存のビジネスモデルに安住せず、自らの姿をドラスティックに変貌させる道を選んだと推察されます。攻めの姿勢を崩さないこの決断は、業界内でも大きな波紋を広げているようです。

具体的にどのような分野へ投資するのかというと、一つは栄養ドリンクの受託製造、いわゆる「OEM」工場の新設が挙げられます。OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略称で、他社ブランドの製品を代わりに製造することを指します。自社ブランドに固執せず、蓄積された製造ノウハウを活かして他社の生産を支えるインフラ企業へと進化しようとする戦略は、非常に合理的で手堅い選択だと言えるでしょう。

さらに驚きを持って迎えられているのが、希少疾病、つまり患者数が少なく治療法の確立が難しい病気に対する「医薬品開発」への本格参入です。飲料メーカーが持つ研究開発能力をライフサイエンス分野へ応用するこの試みは、社会貢献性が高いだけでなく、成功すれば極めて高い収益性を生み出す可能性を秘めています。食品から医療へというこの大胆な横断は、企業の存続を賭けた究極の多角化戦略と呼ぶにふさわしいものです。

もちろん、これほどの大規模投資には痛みが伴います。2020年01月期の通期決算では、投資費用の先行によって約26億円の減益が見込まれています。しかし、高松社長は「今後3カ年は減益基調を覚悟している」と断言し、短期的な数字に一喜一憂しない不退転の決意を表明しました。目先の利益を削ってでも未来の果実を獲りに行くというリーダーシップは、不透明な時代において投資家やステークホルダーからも一定の理解を得られるはずです。

SNS上では今回の発表に対し、「あのダイドーが医薬品に手を広げるとは予想外だ」「自販機だけでは厳しい時代だから、この決断は応援したい」といった驚きと期待が入り混じった声が上がっています。馴染み深い「コーヒーの会社」が、数年後には「ヘルスケアの革新企業」として認識されるようになっているかもしれません。一編集者としても、この「伝統ある企業の第二の創業」とも言える挑戦が、どのような結末を迎えるのか目が離せません。

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