2020年の米景気後退確率は3割?元CEA委員長ジェイソン・ファーマン氏が鳴らす警鐘と世界経済の行方

世界経済の心臓部ともいえるアメリカ経済に、不穏な影が忍び寄っています。オバマ前政権で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長という要職を務めたジェイソン・ファーマン教授は、2020年にアメリカが景気後退、いわゆるリセッションに陥る可能性が3割まで高まったとの見解を示しました。CEAとは、大統領に対して経済政策のアドバイスを行う専門家集団のことで、そのトップを務めた人物の発言だけに、市場関係者の間でも緊張が走っています。

この景気先行きの不透明感を強めている最大の要因は、激化の一途をたどる米中貿易戦争に他なりません。ファーマン氏の分析によれば、この貿易摩擦によって2019年のアメリカの経済成長率は0.5ポイントも押し下げられる見通しです。SNS上でも「たった0.5%と思うかもしれないが、巨額のGDPを持つ米国にとっては数兆円規模の損失だ」といった驚きの声や、「身近な製品の値上がりが心配」という消費者の不安が数多く投稿されています。

ファーマン教授は、トランプ政権が単独で中国に挑む現状のスタイルに疑問を呈しています。中国に対して効果的に構造改革を促すためには、アメリカ一国で戦うのではなく、日本や欧州といった同盟国と強固なタッグを組んで包囲網を築くべきだと主張されました。多国間での連携こそが、グローバル経済の歪みを正す唯一の現実的な処方箋であるという考え方は、国際協調を重視する専門家らしい極めて真っ当な指摘といえるでしょう。

また、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)に対して露骨に利下げを要求している現状について、教授は「悲惨な状況である」と厳しい言葉で批判されています。FRBは中央銀行として政治から独立し、物価の安定や雇用の最大化を目指す組織ですが、そこに政治的な圧力がかかることは市場の信頼を損ないかねません。しかし、教授は最終的にFRBがその独立性を保ち、データに基づいた冷静な判断を下すと確信しているようです。

私自身の見解としても、政治が経済のルールを無理やり書き換えようとする今の流れには危惧を覚えます。特に貿易摩擦が実体経済を冷え込ませるスピードは予想以上に速く、企業の設備投資意欲が減退すれば、3割という景気後退の確率はさらに現実味を帯びてくるはずです。2019年09月03日の時点で示されたこの警告を、私たちは単なる予測としてではなく、世界経済が大きな転換点を迎えているサインとして真摯に受け止める必要があるのではないでしょうか。

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