【2019年最新】焼酎市場に異変?霧島酒造が7年連続首位も、RTDや欧州ワインの台頭で業界は正念場へ

日本の酒文化を象徴する焼酎業界において、勢力図が大きく塗り替えられようとしています。帝国データバンク福岡支店が2019年09月06日に発表した調査結果によれば、2018年の焼酎メーカー売上高ランキングで、宮崎県都城市に本拠を置く「霧島酒造」が堂々の7年連続1位に輝きました。看板商品である芋焼酎「黒霧島」の圧倒的なブランド力は健在で、依然として市場のリーダーとしての地位を固守しています。

続く第2位には、大分県宇佐市の「三和酒類」がランクインしました。こちらは「下町のナポレオン」という愛称で親しまれる麦焼酎「いいちこ」を展開しており、長年愛され続ける定番ブランドの強さを見せつけています。しかし、こうしたトップ企業の健闘とは裏腹に、業界全体にはどこか「息切れ感」が漂っているのも事実でしょう。上位10社のうち、実に7社が減収という厳しい現実に直面しているのです。

SNS上では、このニュースに対して「昔ほどの焼酎ブームを感じなくなった」「最近はハイボールやレモンサワーばかり飲んでいる」といった声が多く散見されます。かつて日本中を席巻した本格焼酎の熱狂的なブームが、大きな転換期を迎えていることは間違いありません。消費者の嗜好が目まぐるしく変化する現代において、伝統的な蔵元たちは今、かつてない荒波の中に立たされているといえるでしょう。

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変化するアルコール市場と「RTD」の脅威

第3位には、しそ焼酎「鍛高譚」などで知られる合同酒精を傘下に持つ「オエノングループ」が食い込みました。しかし、上位50社の売上合計額を見ると、2017年から2.9%減少の2747億円にとどまっています。これは比較可能な2005年以降で過去最低の数字であり、ピークだった2008年と比較すると11.2%も市場が縮小している事態が判明しました。まさに業界全体の「地盤沈下」が顕著に現れています。

この苦戦の背景には、消費者のライフスタイルの変化が深く関わっています。特に「RTD」と呼ばれる商品の台頭は無視できません。RTDとは「Ready To Drink」の略称で、缶を開けてそのまま飲める酎ハイやカクテルを指します。蓋を開けるだけで手軽に楽しめる利便性と、多様なフレーバー展開が、手間のかかる水割りや湯割りを楽しむ層を飲み込んでいる状況です。若者を中心に、よりカジュアルな飲酒スタイルが定着しています。

さらに、2019年に発効された日欧経済連携協定(EPA)も追い打ちをかけています。これは日本と欧州の間で関税を撤廃・削減する画期的なルールですが、これにより高品質な欧州産ワインが以前よりも格安で店頭に並ぶようになりました。1000円以下の低価格帯で美味しいワインが手に入るようになったことで、家飲みの主役の座が焼酎からワインへと移り変わる動きを加速させていると分析できるでしょう。

編集者の視点から言えば、現在の焼酎業界は「伝統の継承」と「現代ニーズへの適合」の狭間で激しく揺れ動いているように映ります。少子高齢化や健康志向の高まりで、お酒そのものを控える人が増えるなか、単に「美味しい」だけでは選ばれない時代です。しかし、焼酎には土地ごとの豊かな歴史や文化が息づいています。この苦境を、独自のストーリーを再構築し、新しいファン層を開拓するための好機に変えられるかどうかが、生き残りの鍵を握るはずです。

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