【E3 2019】ゲーマー必見!「7ナノGPU」でゲーム用半導体市場の勢力図は変わるか?AMDとNVIDIAの最新技術競争を徹底解説

2019年6月11日から13日にかけて米国ロサンゼルスで開催された世界最大のゲーム見本市「E3(エレクトロニック・エンターテイメント・エキスポ)」が閉幕し、その熱狂は単に新作ゲームの発表だけに留まりませんでした。私たちのゲーミング体験を支える「黒子」とも言えるゲーム用半導体の分野でも、技術競争が激化しています。特に、リアルで美しい映像表現の鍵を握るGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット:画像処理半導体)市場では、長年の王者と挑戦者の戦いが新たな局面を迎えています。

挑戦者である米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は、E3開幕前日の2019年6月10日に、同社のリサ・スー最高経営責任者(CEO)が「最高のテクノロジーをすべてのゲーマーに届ける」と熱意を込めて語り、大きな注目を集めました。AMDは、製造技術において業界最先端となる回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルのプロセスを採用した、業界初のGPU「Radeon 5700」シリーズを同年7月7日に発売すると発表しました。ロサンゼルス市内の発表会では、現行のライバル製品よりも描画性能が高いことが強調され、創業50周年を迎えるAMDが、一気に市場シェアを引き上げたいという強い意気込みが伝わってきます。

これは、パソコンゲーム用の後付けGPU市場において、長らく米エヌビディアが一強体制を築いてきた状況に、本格的に揺さぶりをかける動きです。エヌビディアは世界シェアの約8割を占め、AMDは「首位に大きく引き離された2位」の座に甘んじてきましたが、エヌビディアにはない7ナノメートルという先端プロセスを採用することで、技術的な優位性を確立し、一気に勢力図を塗り替えようという戦略がうかがえます。AMDの発表直後には、SNS上でも「7ナノ品は今後の進化も含めて期待できる」といった好意的な意見が投稿され、ゲーマーたちの間で大きな反響を呼んでいるのです。

一方、王者のエヌビディアも静観しているわけではありません。2019年6月11日に開催された取材会では、同社担当者が「GPUの性能は製造プロセスが全てではない」と指摘し、あくまで自社の優位性を崩さない姿勢を見せています。エヌビディアが昨年2018年9月から順次発売している「RTX」シリーズGPUは、リアルタイムでの光の屈折や反射を再現する技術であるレイトレーシング機能を搭載している点が大きな強みです。このレイトレーシング技術により、「メトロ」や「シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダー」といった対応ゲームでは、より現実に近いリアルな映像表現が可能となり、没入感のあるゲーム体験を実現しています。エヌビディアはこの技術こそが、ゲーマーにとって最も重要であると主張しているのです。

AMDが掲げる7ナノメートルという微細化技術は、半導体の製造プロセスにおいて、より小さな回路線幅で集積度を高め、性能向上と省電力化を実現する最先端の取り組みです。理論上、これはGPUの基本的な処理能力を大きく向上させる可能性を秘めています。しかし、エヌビディアが訴えるように、単なる製造プロセスだけではなく、レイトレーシングのような革新的な機能や、ドライバの安定性、そして長年にわたる実績と信頼性も、ゲーマーがGPUを選ぶ上で重要な要素となるでしょう。SNS上では「紹介された性能通りならば、実績のあるエヌビディアのほうが良い」という慎重な意見も出ており、両社の競争は、単純なスペック勝負だけでは決着がつかない複雑な様相を呈しています。

一編集者としての私見ですが、今回のAMDの7ナノGPUの投入は、高性能GPUを求めるゲーマーにとって、非常に喜ばしい事態だと考えられます。長らく続いたエヌビディアの独壇場に強力な対抗馬が現れることで、価格競争が促進され、結果として消費者はより高性能な製品を、より手頃な価格で手に入れられる可能性が高まります。また、両社が技術的な優位性を競い合うことで、レイトレーシングのような革新的な新技術の開発や、既存技術の進化が加速することは間違いありません。今回のロサンゼルスでの発表合戦は、実際の市場シェアがどこまで変動するかは未知数ですが、ゲームを楽しむ環境が今後いっそう充実していくことを確信させてくれる出来事と言えるでしょう。

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