2019年09月20日のラグビーワールドカップ開幕が目前に迫る中、日本代表のチーム作りに驚くべき変化が起きています。かつてのエディー・ジョーンズ体制では、分刻みのスケジュール管理や強制的な「昼寝」の時間まで設けられるなど、徹底した管理野球ならぬ「管理ラグビー」が主軸でした。しかし、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが率いる現在のチームは、選手自らが考え、動く「自主性」を最大の武器として磨き上げているのです。
代表合宿のスケジュール表に記された「グローカル」という聞き慣れない言葉は、海外出身選手と日本育ちの選手が融合し、一つの家族になるという強い意志を象徴しています。この時間は、コーチ陣からの指示が一切ない、いわば「選手たちの自習時間」です。徳永祥尭選手が語るように、モニターを囲んで膝を突き合わせ、練習の反省や相手の分析を主体的に行うことで、プレーへの理解度はかつてないほど深まりを見せています。
「相撲・侍・忍者」が生み出す驚異の結束力と戦術決定権
興味深いことに、選手たちは「相撲」「侍」「忍者」といったユニークな階層分けや小グループに分かれ、SNSのLINEを駆使して練習の感想を共有したり、食事を共にしたりして絆を深めています。こうした取り組みは単なる親睦会に留まらず、ピッチ上での臨機応変な対応力へと直結しているようです。2019年08月の米国戦では、試合の最中に選手たちの判断で戦術を変更し、見事な快勝を収めたというエピソードも届いています。
ネット上のラグビーファンからは「指示待ちじゃない日本代表は頼もしい」「選手が楽しそうにプレーしている理由が分かった」といった好意的な反響が相次いでいます。フォワード第1列で身体を張る稲垣啓太選手をはじめとするリーダー陣が、自ら戦術をプレゼンテーションする姿には、今のチームが持つ成熟度が見て取れます。強固な信頼関係に基づいたボトムアップ型の組織こそが、世界を驚かせる原動力になるでしょう。
ジョセフHCの巧みな手腕と「自分たちで選んだ道」の強さ
ここで注目すべきは、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチの心理的なマネジメント術です。実は「試合数時間前からのスマホ禁止」といった規律のいくつかは指揮官が考案したものですが、選手たちが「自分たちで決めた」と錯覚するほど自然に浸透させています。専門用語で言えば、これは「エンパワーメント(権限移譲)」に近いアプローチですが、トップダウンの指示をあえて選手の議論から導き出させることで、実行時の納得感を最大化させているのです。
2019年09月06日の南アフリカ戦では大差で敗北を喫したものの、リーチ・マイケル主将は試合終了からわずか1時間後にはリーダー会議を開き、キック処理の改善に着手しました。編集者としての私の視点では、この「修正スピード」こそがW杯本番での生命線になると確信しています。誰かに言われたからやるのではなく、自ら選んだ道だからこそ、困難な状況でも足が止まらない。そんな「桜の戦士」たちの躍進に期待せずにはいられません。
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