2019年10月に予定されている消費税率の引き上げを目前に控え、私たちの暮らしを取り巻くマインドに厳しい影が落ちています。内閣府が2019年09月02日に発表した「消費動向調査」の結果によると、一般世帯の消費者心理を数値化した消費者態度指数は、前月から0.7ポイント下落して37.1という結果になりました。これで指数の低下は11カ月連続となり、家計の先行きに対する不安が長期間にわたって解消されていない実態が浮き彫りとなっています。
この37.1という数字は、実は2014年04月以来、約5年4カ月ぶりとなる低水準です。SNS上でも「給料は上がらないのに税金だけが増える」「高額な買い物は今のうちにすべきか悩むけれど、そもそも余裕がない」といった、悲鳴に近い投稿が相次いでいます。消費者のリアルな声が、そのまま統計データに反映された形と言えるでしょう。景気の「体感温度」とも言えるこの指標がここまで冷え込んでいる現状は、決して楽観視できるものではありません。
主要指標の悪化が示す「買い控え」の深刻な実態
今回の調査で特に注目すべきは、指数を構成する主要な項目が軒並みダウンしている点です。なかでも「耐久消費財の買い時判断」の低下は顕著であり、冷蔵庫や洗濯機といった家電製品の購入を躊躇する世帯が増えていることが伺えます。これは、増税前の駆け込み需要を期待する声がある一方で、増税後の生活防衛意識がすでに働き始めている証拠かもしれません。暮らしの土台を支える購買意欲が減退しているのは、非常に憂慮すべき事態です。
ここで専門用語について触れておきますと、「消費者態度指数」とは、今後半年間の暮らし向きや雇用環境について、消費者がどう予測しているかを数値にまとめたものです。50を境界線として、それを下回るほど「暮らしが悪くなる」と感じる人が多いことを示します。現在はこの基準値を大きく下回る30台まで落ち込んでおり、国民が抱く将来への不透明感が極めて強いことが分かります。雇用の先行きに対する楽観論も、今や影を潜めてしまいました。
編集者の視点から申し上げれば、政府は単なる「駆け込み需要」の反動対策だけでなく、根本的な所得不安を解消する施策に本腰を入れるべき時期に来ていると感じます。増税という大きな転換点を前に、消費者がこれほどまでに守りの姿勢に入っている以上、心理的なブレーキを外すのは容易ではありません。私たち消費者が再び前向きに買い物や投資を楽しめる社会になるためには、数字上の景気回復ではなく、財布の紐が自然と緩むような実感の伴う支援が不可欠でしょう。
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