日新電機の子会社である日新システムズが、在宅高齢者の生活を劇的にシンプルにする画期的なICT端末を開発しました。ICTとは「情報通信技術」の略称で、インターネットなどを活用して人と人、人とモノをつなぐ技術を指します。この新しいデバイスは、複雑な操作を一切排除し、専用カードを端末にかざすだけで買い物やタクシーの配車依頼ができるという、まさに魔法のような仕組みを実現しているのです。
2019年10月01日から、富山県黒部市社会福祉協議会(社協)と共同で実証実験が開始される予定です。SNS上では「スマホが苦手な親に持たせたい」「これなら直感的に使えそう」といった期待の声が早くも上がっています。デジタルデバイド、つまり情報リテラシーの差による格差が問題視される現代において、誰一人取り残さない優しい技術のあり方に、多くの人々が注目を寄せていることが伺えますね。
端末の見た目は固定電話ほどのサイズで、大きなボタン一つと音量調整ダイヤル、そしてカード読み取り機を備えた非常にシンプルな構成です。特筆すべきは、高齢者自身がインターネットの契約をする必要がない点でしょう。携帯電話の通信網を内蔵しているため、電源を入れるだけで即座にサービスを利用できます。面倒な設定や画面操作が不要な点は、導入のハードルを下げるための素晴らしい工夫だと感じます。
カード一枚で広がる安心と便利な地域サービス
使い方は至って簡単で、例えば外出したい時は「移動案内」カードを、食料品が欲しい時は「買い物」カードを端末にかざすだけです。すると自動的に社協や生協へ連絡が届き、高齢者の対応に慣れた担当者から自宅へ電話がかかってくる仕組みになっています。機械を操作して注文を完結させるのではなく、最終的に「人との会話」を通じて要望を伝えられる点は、孤立しがちな高齢者にとって大きな心の支えになるはずです。
今回の実証実験では、黒部市内の後期高齢者40世帯に端末が設置され、実際の使い勝手や地域サービスの利便性が検証されます。また、この端末は単なる注文機ではなく、大切な「見守り」の役割も兼ね備えています。カードの利用が一定期間ない場合には、社協の担当者が異変を察知して訪問を検討するなど、地域のセーフティネットとしての機能が期待されているのです。
さらに「家族」カードを使えば、遠方に住む親族に通知を送ることも可能です。ゴミ出しの日のお知らせや、災害時の避難情報を音声で伝える機能も搭載されており、日々の暮らしの質を底上げしてくれるでしょう。私は、こうした「技術が人に歩み寄る」形こそが、高齢化社会における真のDX(デジタルトランスフォーメーション)の姿ではないかと確信しています。
日新システムズは、今回の実験を通じて端末の貸し出しや販売といった事業化を目指しています。同様の簡易的な仕組みはまだ珍しく、成功すれば全国の自治体へ広がる可能性を秘めています。支援する側と受ける側の双方にメリットがあるこの取り組みが、日本の地域福祉における新しいスタンダードになる日も、そう遠くないかもしれません。
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